「女性活躍推進法」をわかりやすく解説!社労士試験対策のポイント

更新日:2021年8月3日

ひと昔前と比較すると、女性の働き方は大きく変化しています。

その背景には、女性の就労に対する社会的風潮の変化や、女性自身の意識改革が影響していることはもちろんのこと、昨今の働き方改革の観点から「深刻化する働き手不足解消のカギ」として女性の活躍が期待されているという見方もまた重要です。

社労士試験ではその時々で話題となるテーマが問われる傾向にありますが、2019年から本格的に舵を切った働き方改革に鑑み、女性活躍に関わる出題に備えて関連法令の把握に努めるのが得策です。

目次

「女性活躍推進法」とは?

女性活躍推進法とは

女性の働き方や活躍に関連する法令の代表格といえば、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」、つまり「女性活躍推進法」です。

女性活躍推進法では、国・地方自治体・事業主が、女性が活躍できる社会を目指すための取り組みと具体的な数値目標を示し、具体的措置を講じていく旨を定めています。女性活躍推進法について、社労士試験で狙われるポイントを見ていきましょう。

「女性活躍推進法」は10年間の時限立法

まずは、施行期日について理解しましょう。

女性活躍推進法は、2015年9月4日公布、一部を除き同日施行(2016年4月1日完全施行)の比較的新しい法律です。現状は2026年3月31日までの10年間の時限立法とされていますが、状況次第で当初の期日には失効せずに継続する可能性もあります。

女性活躍は働き方改革の柱のひとつであることから、社労士試験対策上、欠かすことのできないテーマです。

「女性活躍推進法」の社労士試験出題ポイント

女性活躍推進法の社労士試験対策として、前述の「施行期日」に加え、以下の観点について理解を深めておきましょう。

✓ 目的条文

✓ 国・地方公共団体、301人以上の大企業が対応すべき女性の活躍に関する状況把握・課題分析と事業主行動計画策定・公表

✓ 女性の活躍に関する情報公表

✓ えるぼし認定

それぞれの詳細についてはテキスト等でご確認いただくことになりますが、学習時の心構えとしては「基本的な内容を幅広く」。必要以上に深掘りすることはありませんが、テキストや過去問に登場する範囲をマスターしておきます。

「女性活躍推進法」2020年以降の改正項目を要チェック

前項に挙げた女性活躍推進法の基本項目に加えて、社労士試験対策上、直近の法改正についても確認しておく必要があります。

ここでは、2021年、2022年の改正項目を挙げますが、皆さんがこのページをご覧いただくタイミングに応じて最新の法改正の内容をチェックしましょう。

  • 2021年4月1日から、一般事業主行動計画の数値目標設定方法が変更
  • 2021年6月1日から、女性の活躍推進に関する情報公表の強化、特例認定制度(プラチナえるぼし)の創設
  • 2022年4月1日から、義務の対象が301名から101人以上の事業主に拡大

参考:厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)」

「女性活躍推進法」社労士試験出題実績

社労士試験出題実績

女性活躍推進法は2015年公布・施行の比較的新しい法律ではありますが、社労士試験では選択式、択一式共に出題されているテーマです。

女性活躍が社会的に注目を集める分野であることに加え、社会的ニーズに合わせて頻繁に法改正が講じられていることから、今後の出題に備え、過去問研究に取り組んでおきましょう。

女性の活躍に関する情報の公表義務(平成29年労一)

以下の選択肢について、正誤を判別する問題です。

「女性活躍推進法は、国及び地方公共団体以外の事業主であって、常時雇用する労働者の数が300人を超えるものは、「厚生労働省令で定めるところにより、職業生活を営み、又は営もうとする女性の職業選択に資するよう、その事業における女性の職業生活における活躍に関する次に掲げる情報を定期的に公表するよう努めなければならない。」と定めている。」

回答:×

選択肢の内容は、「公表するよう努めなければならない(努力義務)」ではなく、「公表しなければならない(義務)」です。

えるぼし認定(令和元年度労一/選択)

以下の文中の【   】に相応しい語を選択する問題です。

「女性活躍推進法に基づいて行動計画の策定・届出を行った企業のうち、女性の活躍推進に関する取組の実施状況等が優良な企業は、都道府県労働局への申請により、厚生労働大臣の認定を受けることができる。認定を受けた企業は、厚生労働大臣が定める認定マーク【    】を商品などに付すことができる。」

回答:えるぼし

まとめ

  • 女性活躍推進法は、女性が活躍できる社会を目指すために、国・地方自治体・事業主が定めるべき具体的目標・措置を定めた法律で、2015年9月4日公布、一部を除き同日に施行されています(2016年4月1日完全施行)
  • 社労士試験対策上、女性活躍推進法の目的条文、国・地方公共団体、301人以上の大企業が対応すべき事項及び事業主行動計画・情報公開、えるぼし認定、法改正項目等について理解を深めておく必要があります
  • 社労士試験対策では、「基本的内容を幅広く理解すること」を心がけます
この記事の監修者は
小野賢一(おの けんいち)

「そうだったのか!」という驚きや嬉しさを積み重ねましょう
【出身】北海道
【経歴】横浜国立大学大学院国際社会科学府修了。社会保険労務士、日商簿記2級等の資格を保有
【趣味】楽器演奏
【受験歴】2022年社労士試験初回受験、合格
【講師歴】2023年よりフォーサイト社労士講座講師スタート
【座右の銘】昨日から学び、今日を生き、明日へ期待しよう
フォーサイト公式講師X 小野賢一@社労士専任講師

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