簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは。 
簿記講座担当の小野です。
徐々に暑くなってきましたね。寝冷えなどすることなく、ご注意を!

簿記の勉強を続けるとかなり高度なお金の知識が身につきます。
例えば、簿記2級では「仕入割引(売上割引)」とういのが出てきて、
1年後に100万円の支払い(受取り)をする条件で商品を売買した場合、
代金をはやめ(例えば6ヶ月後)に決済することになったら、
100万円やりとりする必要がないということを学びます。

なぜなら、当初の条件で決められた100万円は1年後に
やりとりする金額であるため利息が含まれており、
もっとはやい時期に決済するならばその利息の受け払いが必要なくなるからです。

要するに、はやめに決済すると少ない決済額ですむということです。
ニコニコ現金払いとは、少なめの決済額ですむから“ニコニコ”なのですね。
ということは、今払おうが、1年後払おうが、支払額が同じならば1年後に払うべきです。
例えば今払おうが、1年後に払おうが100万円支払わなければならない場合、
今払うお金を100万円持っているのなら、そのお金を運用して利息(利率1%なら1万円の利息)を稼いで、
利息分(1万円)は自分のポケットに入れ、元本100万円で支払いを済ませればいいわけです。

こういったことは生活に関する知恵でもありますからできれば義務教育の段階で教えておきたいことです。
でも日本では、義務教育でお金に関する教育をほとんど行いません。
なぜでしょう? 
私たちの生活はお金とは切っても切れない関係なのに、お金のことは全く義務教育で教えないんですね。
小学生に英語を教えるより、世の中のお金の回り方をしっかり教える方が、よっぽどいいと思うのですが…。

先日、確定申告をしているととても残念な場面に遭遇しました。
私の隣で申告をしていたおじさんはそこそこの所得があるらしく、
例年、中間納税の対象だったようです
(通常は、1年分の所得を確定したあとに対応する税額を支払うのが原則なのですが、
所得が多いと、6月頃に一定額を納めておき、年末に所得(税額)が確定した後、不足分を納税します)。
ところが今年は中間納税の対象ではなくなったらしく、年末にまとめて1年分の納税をすることになったようです。

そのような隣のやりとりが耳に入った私は
「おじさん、ラッキーだったね。半年間、資金を運用して利息を稼ぐチャンスができたじゃないですか!」
と思っていました。
しかし、次にそのおじさんから出た言葉は
「毎年中間納税しているんだから、今年もはやく税金を払わせてよ! 
ちゃんと準備しているんだから!」でした。
 
税金は中間納税しようが、年末に納税しようが利息分の割引はありません。
ですから、できれば中間納税はしたくないところです。

税務署の立場からすると、このおじさんは模範的日本国民です。
だって、はやく税金を払いたいと行っているのですから。
しかし、金融リテラシーの面からするととても残念です。
資金を運用する時間を得ているのに、
「そんな時間はいらない」と言っているわけですよね。
 
世界はどこでも低金利です。
そのため利息に対する感覚が鈍っているのかもしれません。
でも、そんなチャンスを逃すなんて…。
ちょっと残念な気持ちになった瞬間でした…。



小野正芳

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