簿記講座の講師ブログ

なんと、2,000万円も必要だって?

皆さん、こんにちは!
簿記講座担当の小野です。
暑いし、ムシムシしてきたし、快適な環境を作るのが大変ですね!

老後資金は年金だけでは不足し、2,000万円の貯蓄が必要!
金融庁が公表した報告書が話題になり、いろんなところから反発が出ています!

でも、このブログでもお話ししてきたとおり、年金100年安心プランの前提も無理無理な設定でやっと維持できるという計算結果でしたし(2014年6月ブログ)、NISAやidecoは自分で貯めろというメッセージだといえますし(2017年3月ブログ)、政府としては「今まで、さんざん“年金だけでの老後生活は無理”と言ってきて、今回はさらに踏み込んで、具体的な金額まで出してあげたのに、なぜ怒られるの?」という感じなのかもしれません。あの麻生財務大臣の表情がそれを物語っているような…。

実際、「2,000万円なんて聞いてない! 無理!」と嘆いているのはほんの一部の人だけかもしれません。「年金不足分を自助努力で賄うべき」と答えた人が6割を超えているという世論調査(日経新聞)もあるからです。日本人の過半数は、年金の実態をすでに理解していて、“いかに対応していかなければならないのか”を考え始めているようです。

ですから、参院選挙中、多くの候補者が叫んでいた「安心を提供します」というコピーは空虚です。多くの日本人が聞きたいのは、「今後、限られた財源で安心を提供するためにはどのようにやりくりしていくのか?」「年金で安心を提供するためには、どこかを削る必要があるが、どこをどのくらい削って、年金にどのくらい振り向けるのか?」「現役世代とすでに受給を受けている世代のバランスをどのように取るのか」といった、具体的な“安心の程度”に関する話だったと思うからです。

そういう意味では、“安心総論”しか提供できない演説を聴いていると、「どの党に投票してもムダだ」と嘆きたくなるかもしれませんが、単に嘆いて、選挙権を放棄するだけでは、今後も同じ事が繰り返されます。国民も真剣に政治家の議論に耳を傾けて考えることができるようになる、そして、政治家も国民が求めるレベルの話をできるようになる世界になるとよいですね(その意味では、ツイッターで一般人とののしり合っている、北方領土戦争奪還発言の某さんはなかなか…)。