簿記講座の講師ブログ

ついに実現? 本当の能力主義

 皆さん、こんにちは!
 簿記講座担当の小野です。
 “食欲の秋”が近づいてきましたが、このまま食欲があがるとマズイ今日この頃です。

 人手不足。ここ数年、ずっと言われていることですね。
 経済学の教えによれば、需要と供給の関係で、供給が少なくなれば価格は上がります。
 ですから、原則として、人手不足になったら、その価格(給料)は上がるはずです。
 でも、それとは裏腹に、賃金は20年前と比べると20%くらいダウンしてしまっている状態です。

 しかし、ここにきて、本来のあるべき姿になりつつあるようです。というのは、人手不足倒産が過去最高になったのと同時に、転職で賃金が増加する人がかなり増加したからです。
 これまでは、転職すると賃金が減るのが一般的でした。しかし、若手ほど転職後の賃金が増加する割合が高くなりました。もちろん、転職すれば必ず賃金が増加するとは限りません。人手が特に足りない業種へ、それにマッチする人が転職すればという前提はあるのでしょう。しかし、これまではその前提すら成り立たなかったのですから、労働者にとってはいい兆候なのだと思います。

 一時期、多くの企業で、給料を能力給にする取り組みがなされました。業績を上げた従業員の給料をアップさせ、そうでない従業員の給料はダウンさせる取り組みです。しかし、景気が極端に悪くなったこともあり、業績が悪い従業員の給料をダウンさせることを主目的にしてしまう(その結果、業績がいい従業員の給料はそれほど上げなかった)結果となり、うまくいきませんでした。

 一方、今、起こっていることは日本全体での能力給による労働者の評価といってもいいかもしれません。勤務先を変更するときに、前職での業績を評価してもらって、給料に反映させる取り組みですから。
 あとは、景気が何とか持ってくれることを祈るばかりです。労働者にとっては、マッチした転職ができれば賃金アップという環境を手に入れることができたのですから。
 10月から消費税がアップし、また、米中貿易戦争がさらに激しくなり、日本の景気に黄色信号がともっていますが、何とかなりますように!