簿記講座の講師ブログ

日本の経済力アップのために

 皆さん、こんにちは!
簿記講座担当の小野です。
寒い日が続いていますが、カゼなどをひかないように、体調管理に気を付けて!

 経済大国と言われる日本ですが、今のチカラはどのくらいなのでしょう?
そう思わせるような記事が2019年末に巷を賑わせました。

その記事では、「サンフランシスコでは、年収1,400万円は低所得!」というのです。
今の日本人の感覚では「年収1,400万円で低所得なんてそんなわけない!と思いつつも、ちょっと気になってしまいます。
世界ではいったい何が起こっているのでしょう?

 この1,400万円という数字は、GAFAの本拠地があり、世界で一番稼いでいて、一番物価が高いと思われるサンフランシスコ・シリコンバレーの数字です。ある意味、突き抜けている地区の数字なので、この数字を基準に考える必要はないと思います。

 でも、少し真面目に考える必要があるのも事実です。
国民所得という指標がありますが、これでみると日本は世界で22位、4.5万ドルです。1ドル100~110円ちょっとで、年収450万円ちょっとという感じ。
実感のある数字ですね。

12月頭あたりに、「子どもの学力が世界15位まで下がってしまった!」って騒いでいましたが、大人が稼ぐチカラは世界22位…。私、猛烈に反省しないと…。
アメリカは6万ドルで10位です。アメリカは日本より上位ですが、やはり年収1,400万円は低所得ではないようです。

 ちなみに、トップ10は産油国(カタール・クウェートUAEなど)と金融が盛んな国(シンガポール・ルクセンブルク・香港・スイス)で、10位代はほとんどがヨーロッパです。
日本は1990年ごろまではヨーロッパ諸国より上位にいましたが、1990年代後半から抜かれたしまいました。
日本は、もう、とびぬけて豊かな国とはいえない位置にいるのかもしれません。

 何でそんなことになっちゃったんでしょう?
1人あたりの給料の伸び悩みが大きいかもしれません。日本人の給料の額面は減ってないんだけど、物価の影響で実質的には減っています。
物価考慮後の比較で、1997年の給料を100とすると、2018年の日本は90。アメリカが120、イギリスが130なのと対照的です。
アメリカやイギリスでは、給料で手に入るモノ・サービスが1.2~1.3倍に増えたけど、日本は減っているということですね。

 日本人がモノを買えない→企業はモノを売れない→安売り→企業の売上減少→給料減少という悪循環です。世界からみると、日本は、いろんなモノが安く買える国に見える状況かもしれませんね。

 一方、最近値上げのニュースが多く流れます。本当に安売りしてるのでしょうか? 安売りというのはあくまでも外国との比較での話です。
例えばディズニーランドの入場料。
最近は、連続値上げです。高くなったなぁと感じますよね?でも、世界基準では激安です。
日本は7,500円だけど、本家カリフォルニアは14,000円。上海でも9,000円。アメリカ人は、日本に来れば、半額でディズニーランドに行けるということなんですね。
庶民の味方ダイソーも、日本は激安。中国では10元ショップ(150円ショップ)なんですよ! ダイソーの商品は中国製が多いですが、中国で作った商品が中国では150円で売れるのに、日本では100円でしか売れないというおかしな事になってます。
こうやってみてくると、日本旅行者の激増は、“安いから”という理由もかなり多いのかもしれません(もちろん魅力的なコンテンツもたくさんある)。バブルの時、日本人が海外旅行に行って、ブランド品を買いあさっていたように…。

 だから、ちょっと真面目に考えなきゃいけません。
とにかく、今の日本は、高品質低価格。低い賃金での過剰サービスと言い換えてもいいかもしれません。
某バーガーチェーンでバイトしている学生さんの話ですが、そこではポテトを揚げてから7分経ったらすべて廃棄するそうです。なぜか?
ポテトが揚げたてでないと(少しでも冷えていたら)、怒り出すお客さんが多いからだそうです。ポテトに払うお金はせいぜい150円くらいなのに…。
賞味期限までまだ時間があるけど廃棄するスーパー、夜は1時間に2~3人しかお客さんが来ないのに24時間営業しているコンビニ、その負担の積み重ねが今の日本なんですね…。

 私たちが、企業への過剰な要求を下げれば、負担がなくなり良い循環が始まり、かなり変わるかもしれません。
それと同時に給料を挙げることも必要です。働く人が増えたから日本人全体がもらう給料は増えましたが、1人あたりでいうと減っています。
安倍総理大臣はこれまで企業の利益をメチャメチャ増やしてくれたのだから、経営者の皆さん、今後は1人あたりの給料を上げてください!