簿記講座の講師ブログ

今年は株主総会の季節が静かに過ぎ…。

皆さん、こんにちは。
簿記講座担当の小野です。
暑い日の中、突然涼しい日があったり。  

絶対に体調は崩さないように!
今年は静かに過ぎていった株主総会の季節。

株主総会は、
決算日から3か月以内に開催する必要があるため、
3月決算の会社が多い日本の場合、
6月下旬に株主総会が集中します。

株主総会っていうと、経営者と株主が何やら
言い合っているようなイメージですが、

・取締役
・取締役の給料と、株主への配当
・会社の合併・分割

というとても大切なことを決めている、
株主にとってとても大切な会議です。

法律上は、株主がお金を出して会社という枠を作り、
株主が決めた取締役に経営をさせるかたちと
なっています。

ですから、株主が取締役を決めるわけです。

そして、取締役の代表者が社長ですから、
実は、社長って、会社を経営するために、
株主から雇われている人にすぎません。

ちょっと意外かもしれないけど、法律上、
会社の中で1番偉いのは社長ではなく株主なんです!
(あくまで法律上の建前ですけどね)

会社って社長のものではないんですが、
ただ、最初は社長自らお金を出して会社を作るから、
ほとんどの場合株主=社長となり、
自分で会社を作って株主になって、
株主総会で株主である自分が自分を社長にするという、
一人二役状態となります。

株主=社長の小さい会社でも
株主総会を開く必要あります。

ただ、自分で自分を社長にするための総会を開く、
ここでも一人二役状態での開催ですから、
形式的なものになりますが。

実際は、小さい会社では株主総会を開いたことにして、
書類だけそろえておくことが多いようです。

そして、他の人から追加で出資してもらって
資金を集めて事業を拡大していくうちに、
少しずつ株主の数が増えていき、
上場企業になると株主数万人!レベルになります!
なんと、トヨタ自動車の株主は62万人もいるそうです。

こうなると、株主がガチで
社長を選ぶことになりますよね。

株主が多くなると、株主総会では、
誰を社長にするかでモメることが多くなります。

たくさんお金を持っている人(ファンドなど)が、
ある企業の株の大量に買って株主総会に出席し、

堀江貴文さんも、 ちょっと前、
ニッポン放送の株を大量に買って株主になり、
自分でニッポン放送・子会社フジテレビ
を経営しようとしたのが有名な例です。

ただ、一方で、こうやって資金と能力が
様々な会社に 投入されていく仕組みを守っているのが
株主総会とも言えます。

株主総会では、取締役の給料・
株主への配当も決めます。

会社がうまくいっているときは、
取締役がたくさん給料もらっても、
株主はあんまり文句言いません。

会社がうまくいっているときは
株主もそこそこ配当もらえるだろうし、
何より株価が上がるから株主はホクホクですから。

でも、うまくいかなくなってくると…。
そりゃ、モメます…。

会社がうまくいかなくなると、株価は下がるし、
配当は少なくなるし、でも取締役の給料を
ゼロにするわけにはいかない

(取締役が食っていけなくなる)から、
株主としてはかなりモヤモヤです。

こんな株主総会ですが、
会場を設けてそこに株主を集めて
開催しなければならないという規定があります。

でも、このご時世、密な状態を作ることはNGなので、
どうやって株主総会を開催すればいいのか
問題になりました。

今年は、一定の要件を満たせばWebでの開催が可と
されましたが、 さて、今後どうなっていくでしょう?