簿記講座の講師ブログ

幹部が外部から来るということ

皆さん、こんにちは。

私はサラリーマンです。ほんの少しですができるだけ出世したいとも思っています。
高校生のころは、「平社員として入社し、そこで一生懸命がんばり成果を上げて、それが認められて出世する」ものだと思っていました。

大学である程度社会のことを知ると、「入社した会社で一生懸命がんばっても、出世できる限度がある」ことを知りました。例えば、どこかに支配されている会社の社長には、その会社を支配している組織から社長が送り込まれてきます。
会社の支配・被支配という関係で代表的なのは親子会社関係ですね。子会社の社長には親会社の取締役が送り込まれます。このことはそれほど珍しいことではないでしょう。親会社はグループ全体をコントロールする司令塔であり、グループ全体の一部の機能を子会社を使って実現しているわけですから、子会社の社長になるためには少なくとも親会社で出世しなければならないことはすごく当たり前のことに感じます。しかも、入社後に買収されたりしないかぎり、親子会社関係は事前に公表されていることなのですから、ある会社の社長になりたいのであれば、その会社が属するグループの親会社に就職すればいいということがわかります。

もう一つの支配・被支配という関係は役所と企業の関係です。企業の業務を進めるためには役所と連携しなければならないということもあります。許認可に絡んでいるような場合に役所の人間が企業の幹部になることを天下りといい批判の対象になっていますが、仕事上での役所と企業の関係がなくならないかぎり、役所と企業の間の人の移動もなくなることはないでしょう。

そのとき、企業外部からみれば役所の人間がおいしい汁を吸うために企業に天下ったとしか見えませんが、企業内部の人間からみたらどうなのでしょう? いくら仕事をがんばって成果を出しても、幹部は外部からやってくるという状況になると、士気が下がってしまわないのでしょうか? それともそのような従業員の士気を高めるような別の仕掛けが用意されているのでしょうか? 

こんなことを思ったのは、つい先日、横浜銀行の頭取はずっと財務省から派遣されているという新聞記事を読んだからです。横浜銀行という日本最大の地方銀行ですら財務省の支配下にあり、横浜銀行に入行しても頭取にはなれないのです。私などは横浜銀行で働かせてもらうことすら難しいと思いますが、横浜銀行の行員さんはどのような気持ちで働いてらっしゃるのでしょうか?