簿記講座の講師ブログ

好景気らしいけど…

 皆さん、こんにちは。
 簿記講座担当の小野です。
 春本番! 眠くならないように!

 日経平均株価がバブル時代の最高値を超え、多くの企業で賃上げが始まり、世の中景気が良いらしいですが、実は大企業の早期退職募集もかなり多くなっています。
 
 先月のブログでアメリカ企業の人員削減の話を出しましたが、日本企業も、結構、人員削減しているようですね。2024年に入ってから、資生堂が1,500人、ソニーが900人、オムロンが1,000人、セブン&アイが700人、ワコールが150人などなど、多くの大企業が早期退職者を募集し、2024年の2ヶ月で3,600人を超える退職者を募集しています。ちなみに、2023年度通年で3,161人でしたので、たった2ヶ月で昨年1年を超えてしまったわけです。

 早期退職者を募集するのは、業績があまりよくない部門の人員を削減したいという理由もありますが、それ以上に、状態がよいうちにインフレに対応できる組織にしたいという理由のほうが強いようです。
 インフレに対応するためには継続的な賃上げを行わなければなりません。賃上げするためには採算性の低い事業をやめて、生産性を高めなければならないので、事業構造(組織)を変える必要があります。そのために、損失が出ているわけではないけれどもあまり儲かっていない事業をやめる必要があるというわけです。
 先月挙げたアメリカではITや金融が早期退職者を募集する事例が多かったのですが、日本では製造関連の企業が募集する事例が多いことから、事業構造の変更を目的としている傾向が強いことが分かります。
 また、若年層を含んでいるのも最近の特徴です。以前の早期退職者の募集といえば、40~50代以上を対象とした人件費カットのための人員削減というイメージが強かったのですが、最近は特定の事業(子会社)から20代まで含んで募集する点が特徴です。つまり、年齢に関係なく募集することが事業構造の変更を目的としている傾向を強めています。

 残酷ですが、こうやって企業は生き残っていきます。だからこそ自分も企業に頼って生きていく力をつけなければならないと思いつつ、それはなかなか難しいことを実感する今日この頃です。