証券外務員講座の講師ブログ

決算と株価の話

皆さん、こんにちは。
フォーサイト証券外務員講師の伊藤亮太です。

今回は、決算と株価について解説していきます。

「決算が良いのに株価が上がらない。なぜ?」「決算が悪かったのに株価上がるのは不思議。」多くの個人投資家が疑問に思うところでしょう。これには様々な要因が考えらます。

まず、今期の決算自体の状況が既に織り込み済みであり、来期の予想が株価に反映されるケース。この場合には来期の予想がモノをいう世界となります。現状の決算の数字はもはや関係なくなるのです。

他にも、業績修正を出したことですでに今期の決算は織り込み済みのためいかに好決算でも決算発表時には株価が上がらないといったこともあります。むしろ今期よりも来期の予想が悪化していることにマイナスの反応を示し好決算で株価下落といったこともあります。株価は常に将来の動向を反映する鏡です。常に業績予想の値に変化はないか確認していきましょう。

なお、決算には、3ヵ月ごとの決算短信、1年度の総まとめとしての有価証券報告書の他に、さらに細かく毎月の月次の業績を公開している企業があります。月次では主に1ヵ月の売上高を中心に、前月との比較ができるように公表されている場合が多いです。中には対前年比や新規店舗と既存の店舗をわけて売上高の状況を公表している場合もあります。

こうした月次の状況がわかることで、より株価は適正水準へと推移していくことになるでしょう。また、予想との乖離がどの程度あるのか、どの月が繁忙期/閑散期なのかなどもわかるようになります。そのため、月次が下がったからといってマイナスにとらえるのではなく、前年と比べてどうなのか?といった視点からも確認していきましょう。

<演習>
一種・二種受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
独占禁止法上、金融会社が内国会社の議決権総数の3%超を持つことは、原則として禁止されている。

<解答> ×
独占禁止法上、金融会社が内国会社の議決権総数の5%超を持つことは、原則として禁止されています。