証券外務員講座の講師ブログ

金融機関が破綻したら、NISA、iDeCoはどうなる?

皆さん、こんにちは。
フォーサイト証券外務員講師の伊藤です。

今回は金融機関が破綻した場合のNISAやiDeCoの取り扱いという点について解説していきます。

■金融機関が破綻しても預けたお金は基本的に影響はない
 NISAやiDeCoを申し込んだ金融機関が破綻したら、運用しているお金が戻ってこないのではないか?そんな心配を抱えては安心して運用を行えないですよね。そこで、金融機関が破綻した場合にどうなるのか解説します。
 まず、NISAもiDeCoも販売会社である金融機関を通して運用するお金を預けるものの、そのお金は信託銀行に移され、投資信託などの売買は信託銀行で行われることになっています。そのため、金融機関の破綻により、NISAやiDeCoの運用資産がなくなる心配はする必要がありません。
 投資信託を買った場合に、運用を行う投資信託委託会社が破綻した場合はどうなるのでしょうか?この場合も、資金は信託銀行に保管され管理されているため全額が保護されます。iDeCoの場合には、保険商品や定期預金で運用する場合があります。保険会社が破綻した場合には、生命保険商品は責任準備金等の9割が、損害保険商品を選んだ場合には保険金・返戻金の9割が補償されます。金融機関が破綻した場合には、iDeCoで運用する定期預金は元本1,000万円とその利息までは保証があります。それ以上は保護の対象となりません。また、iDeCoの資産以外にも同じ金融機関で預金がある場合、すべてを合算して1,000万円とその利息までとなるため、iDeCoと通常預金する金融機関をわけることも検討すべきです。
 信託銀行が破綻した場合にはどうなるのでしょうか?信託銀行では、投資家の資金は信託銀行自身の資産とわけて管理することが決められているため、基本的には全額保護されます。
 このように、原則としてNISAやiDeCoの資産は保護されることになります。一般的には金融機関の破綻による心配よりも、運用により減らさない方を重視すべきといえます。

<演習>
一種・二種受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
ETFは、非上場の投資信託と異なり、運用管理費用(信託報酬)は発生しない。

<解答> ×
不適切です。ETFは、非上場の投資信託同様、運用管理費用(信託報酬)が発生します。