子どもたちは周囲の様々な環境から影響を受けて成長していきます。
家族や通っている保育所といった身近な存在だけでなく、
その国の分野や習慣などからも影響を受けています。
今回はそうした子どもたちに影響を与える環境を分類した人物として、
ブロンフェンブレンナーについて見ていきます。
ブロンフェンブレンナーについては直近の保育士試験でもかなりの頻度で出題されています。
令和5年前期 保育の心理学 問2
令和4年前期 保育の心理学 問10
令和3年前期 保育の心理学 問17
生態学的発達理論(生態学的システム論)とは
生態学的発達理論は、ブロンフェンブレンナーが提唱した発達理論です。
ブロンフェンブレンナーは、日常生活で直接・間接に関わりをもつ社会的文脈を、
入れ子状の多層モデルとして示し、子どもの周囲にある環境を4つの段階に分類しました。
❶ マイクロシステム
直接関係する環境
(子どもが直接所属している家庭、保育所、幼稚園など)
❷ メゾシステム
マイクロシステム同士の相互関係
(子どもが所属している家庭と保育所の関係、家庭と地域の関係など)
❸ エクソシステム
直接関係しないが影響を与えるもの
(親の職場や社会福祉サービスなど)
❹ マクロシステム
社会の文化や制度、法律、宗教など
❶~❹は直接影響を受ける距離などから分類されていますが、
きょうだいの誕生や就学、人生で起きる重要な個人的出来事など、
時間の流れやライフイベントによる変化をクロノシステムといいます。
用語の覚え方
生態学的発達理論は頻出ですが、
○○システムが多すぎて覚えられない!という方もいます。
そんな方のために語呂をご用意しました!
マイクの飯、エクレアとマグロだって。
マイクロシステム メゾシステム エクソシステム マクロシステム
苦労してますね…
クロノシステム
若干無理やり感はありますが…ぜひご活用ください!
過去問で問題演習
では最後に過去問を解いてみましょう。
【令和4年前期 保育の心理学 問10】
次の文は、ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.)が提唱した人の発達を取り巻く環境に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
ブロンフェンブレンナーは、( A )を提唱した。保育所に通っている子どもが直接経験する環境である( B )は、主に保育所と家庭である。この保育所と家庭は相互に関係しあい、( C )として機能する。例えば、子どもの父親の職場において、残業が当たり前で、定時には帰りづらいという雰囲気があると、父親の帰宅はいつも遅く、子どもが父親と過ごす時間が短くなるなど、父親の職場は間接的に子どもに影響するので、( D )といえる。
【語群】
ア 正統的周辺参加論 イ 生態学的システム論 ウ クロノシステム
エ マクロシステム オ マイクロシステム カ メゾシステム
キ エクソシステム
(組み合わせ)
A B C D
1 ア エ オ キ
2 ア オ キ エ
3 イ オ カ キ
4 イ カ エ ウ
5 イ キ カ オ
正解
3