皆さん、こんにちは。
ITパスポート試験では統計に関する知識がいくつか問われます。
そのなかに因果関係と相関関係があります。
因果関係とは2つの事柄が「原因」と「結果」の関係になっていることを指します。
例えば、一般的には「勉強時間」と「試験合格」という事柄に因果関係があり、
勉強時間が長いほど試験に合格する可能性が高くなると思われます。
こういう場合、「試験合格」のためには「勉強時間」を伸ばす対策が有効です。
相関関係とは2つの事柄が比例関係などになっていることを指します。
例えば、コンビにおける「おでんの売上」と「カイロの売上」の2つには相関があるでしょう。
しかし、この2つは「原因」と「結果」の関係にはありません。
おでんやカイロの売上が伸びるのは「寒いから」でしょう。
カイロの売上を増やすためにおでんの売上を増やすという対策はまったく無意味です。
因果関係と相関関係は膨大なデータから割り出します
(もちろん、コンピュータを使って。最近はエクセルでも簡単に計算できますよね)。
そして、企業は過去の取引のデータから因果関係や相関関係を見いだして、
今後の経営活動に生かしていくわけです。
ですから、コンピュータを仕事の中で効率的に使える人材を育成することを
目的としているITパスポート試験ではその重要性が今後どんどん高まるでしょう。
現実社会でも統計処理に基づく分析が多々なされています。
例えば、先日、厚生労働省がまとめた国民健康・栄養調査で、
「低所得者ほど米とパンの摂取量が増え(肉や野菜の摂取量は減り)、喫煙率が高まる」
と発表しました。
それによると、「低所得者は生活にゆとりがなく、多くの食材を使う手間をかけることを避けている」ため、
米やパンの割合が多くなるそうです。
つまり、お金があまりないから、食事は手っ取り早くということなのでしょう。
だとしたら、低所得者ほど喫煙率が高まることはどう説明できるのでしょう?
今、タバコはかなり高価ですよね。私が学生の頃は1箱220円でしたが、
最近は500円近くします。
お金があまりないから食実を適当に済ますにも関わらずタバコには500円を使うわけです。
所得、食事、タバコにはどんな関係があるのでしょう?
本当に「低所得」と「米・パンが多い食事」は因果関係ではなく、
ただの相関関係に過ぎず、所得以外の重要な事柄が隠されているのでは?
と思いつつ、読んだ記事の話でした。