簿記講座の講師ブログ
子育て世代の東京脱出

 皆さん、こんにちは。
 簿記講座担当の小野です。
 別れと出会いの季節。悲しかったり、楽しかったり。

 2月のブログでも話題にした東京圏への人口流入が続いている件ですが、東京圏内の世代別で見てみると違った景色が見えてきます。

 2023年、約12万人が地方から東京圏内へ流入しました。一方、東京圏内だけで見てみると、15〜24歳の人々が神奈川・埼玉・千葉から東京へ1万人流入した一方、25〜44歳の人々と0〜14歳の人々(25〜44歳の人々の子どもたちだと思われます)は東京から神奈川・埼玉・千葉へ2.5万人ほど流出しました。つまり東京へは15〜24歳、45歳以上の人々が流入しているということです。
 進学や就職で15〜24歳の人たちが流入してくるけど、小さな子供がいる家族世帯は東京から出ていき、子育てが終わった中高年がまた東京に戻って来るというイメージでしょうか?

 都心部のマンション価格が平均1億円を超えたというニュースがありましたが、そこまで都心・高級物件でなくても、住宅価格はかなり上がっています。夫婦プラス子ども2人だと80㎡は欲しいところですが、その広さになると、東京では都心でなくても中古で6,000万くらいします。これだと購入するのが難しいケースも多々あるでしょう。当然、賃貸物件も同じような事情になり、多くの子持ち世帯は都内で狭いところに住むか、郊外で広いところに住むかという選択をしなければならないことになります。その結果、現在は2.5万人が東京から神奈川・埼玉・千葉へ出ていくという選択をしているのでしょう(私も都内に勤めながらも、千葉に住んでいる組)。

 問題が生じないのであれば、好きなところに住めばいいと思いますが、いくつかの問題を生じさせるようです。
 1つは東京に住むことを選択した場合、住宅が狭いので2人め以降の子どもを諦める傾向が高いということです。もう1つは神奈川・埼玉・千葉に住むことを選択した場合、東京への通勤を続ける(居住地近くの会社へ転職しない)と、通勤時間が長くなり、子育てに十分な自家を割けず、2人目以降の子どもを持つことが難しくなるということです。下手すると、夫婦で家事の分担すらままならず、女性が離職してしまう(家庭で見ると収入の減少、社会的には人手不足につながる)可能ですら生じてしまいます。

 2023年度の出生数は75万人程度でした。結婚しやすく、基本的な生活は大変ではなく、子どもがいるとメリットしかない社会にしないと、厳しい将来になりかねませんね。政治家の皆さん、自分たちばっかり儲けている場合ではないですよ!