簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは!
簿記講座担当の小野です。
暑くなってきました! 寝冷えなどすることなく、ご注意を!

 総務省が発表した家計調査によると、家計の黒字率が30%を超えたそうです!
ここでの黒字率30%とは、世帯単位で見て、手取りのうち30%を貯蓄しているということです。これだけをみればかなり貯蓄ができている景気の良いデータのように見えるが、いろんな前提がついている調査なので、よく注意してみなければいけません!

 この調査のポイントは“世帯”単位であるということであり、同居している家族全員分で見ているということです。一人暮らしの人達も調査対象になっているけど、ほとんど含められていない(7%だけ)ので、ほとんどは“2~3人家族”の家計調査というイメージなんです。家族全員分というポイントをおさえた上で、貯蓄を分析するためには、収入が増えたのか? 支出が減ったのか? (あるいはその組合せか?)をチェックする必要があります。

 中身を見てみると、貯蓄増の主な原因は収入増です。リーマンショック後から世帯の手取り(給料額面から税金や社会保険料を天引された後の金額)が少しずつ増えていて、リーマンショック前よりも多くなっています。増税などもされていますが、それ以上にもらう給料が増えているので、手取りが増えているということなんです。つまり、リーマンショック後、家計は収入を少しずつ増やしてきたけど、支出は増やさず、貯蓄に回しているということですね。

 まだ、収入増ということに納得できないかもしれませんが、それがこの統計のポイントです。家計調査が調査する収入は個人の収入ではなく、家族全員の収入合計額なんですね。ここ10年ほどで人手不足が声高に叫ばれ、雇用者数は500万人(10%)くらい増えています。ここ最近は保育園に子どもを預けて働く人が増えているという話もよく聞きますね。

 イメージでいうと、「家族の中で働く人が増えたので、世帯全体の収入が上がった。けれども、収入が増えた分だけお金を使っているわけではないから、その分だけ貯蓄が増えた。」ということです。今までどおり旦那さんの給料だけで生活して、働き出した奥さんのパート代をすべて貯蓄しているイメージでしょうか。または、定年後も働き続ける人が増えているのも一例ですね。

 貯蓄が増えることはいいことかも知れませんが、それは増えた収入を消費に回せるほど人々の気持ちに余裕は生まれていないということも意味します。さらに収入を増やすためには、世の中のお金を回す(多くの人が消費を増やす)ことが必要です。そのためには、現在続いている収入増を支出に回せるくらいの余裕を人々がもてる社会にすることが必要ですよね。セコセコ気分から解放される雰囲気ができあがればなぁと思う今日この頃です。



小野正芳

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