簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは!
簿記講座担当の小野です。
皆さん、夏休みはいかがお過ごしですか? リフレッシュできていますか?
 
平成31年6月検定試験から3級の試験範囲が変更されることとなりました
(それによって一部2級の範囲が変わります)。

それによって難易度がどう変わるのか? 
多くの方々のご関心はそこにあるかと思いますが、
変更内容を見る限り、難易度にはそれほど影響は与えないようです。

具体的に内容を見ていきましょう。

(1)2級の範囲から3級の範囲へ移行される項目
①株式発行
②利益配当
③法人税等
④消費税(税抜方式)
⑤クレジット売掛金・電子記録債権債務
 
(2)3級で新規で出題されるようになる項目
⑥差入保証金
⑦固定資産台帳
⑧貯蔵品(切手や収入印紙の在庫の処理)

(3)3級の範囲から2級の範囲へ移行される項目
⑨売買目的有価証券
⑩手形の裏書・割引
⑪減価償却(直接法)

(4)簿記検定試験からなくなる項目
⑫当座借越
⑬仕入値引・売上値引
⑭資本の引出

まずは(1)について。
これまで、3級は個人商店を前提としていましたが、
今後は小規模な株式会社が前提とされます。
これにより、①~④が2級の範囲から3級の範囲に移行されるとともに、⑭が廃止されました。
また、近年では電子決済が普及し始め、
中小企業でも扱うことが多くなっていることから⑤が3級の範囲に移行されました。

続いて(2)について。
企業が業務を始める際、最初は事務所や店舗を借りることが多いでしょう。
個人が不動産を借りるときには敷金を支払うように、
企業が不動産を借りるときには営業保証金を支払います。
しかし、これまでの簿記検定ではその点が問われていませんでした。
そこで、実態に合わせて⑥が問われることとなりました。

また、中小企業でも備品などの固定資産を使って業務を行っており、
税務申告上、その帳簿による管理が必須です。そのため、⑦も3級の範囲となりました。
さらに、切手や収入印紙は換金が可能であり、
その管理が特に求められます。
実態に合わせ簿記検定でも⑧が問われることとなりました。

最後になくなる項目である(3)(4)について
一方、中小企業での取引の頻度が下がっているものは3級から2級へ移行されたり、
簿記検定の出題対象ではなくなります。
金融技術の発達により当座借越や手形が利用される場面が減っています。
そのため⑩が3級から2級の範囲へ移行されるとともに、⑫が廃止されます。

また、中小企業では有価証券を使った資金運用を行うことは稀ですし
(実は資金運用を行うような余裕はない!)、
税務との関係で直接法による減価償却を行うことも稀です。
そのため、⑨・⑪も2級の範囲へ移行されました。

さらに、「収益に関する会計基準」が公表されたことにより、
今後は検品作業が終了した時点で売上を計上するのが一般的になります。
ということは仕入値引・売上値引が生じる余地はなくなりますので、
⑬が廃止となりました。

追加項目・削除項目ともほぼ同数であり、
入れ替えられる項目の難易度はそれほど変わりません。
そのため、試験全体の難易度が大きく変化することはないと考えられます。

試験範囲変更の件は気にせず、
これまでどおり勉強を続けていきましょう!



小野正芳

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