簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは!
簿記講座担当の小野です。
まだまだ寒い日が続きます。皆さん体調管理には十分気をつけて!

 会社買いませんか?と、聞かれたら、思わずえっ?となりそうですが、最近は、個人でも会社を買えるようになりました。
会社を買うというと億円単位の話であまり身近な感じはしませんが、なぜ、個人でも会社を買えるようになったのでしょう? 
 
最も大きな理由は後継者不足を解決です。最近よく聞くワードですね。人口減少によって、特に小さな会社では、後継者がいない状態が深刻になっています。帝国データバンクの調査では、従業員20人以下の企業では後継者不在率が7割、昨年の会社倒産のうち、後継者がいないためにあえて倒産したという会社が500件近くにのぼります。

後継者がいない会社は、日頃付き合いのある銀行や会計事務所に相談して買い取ってくれそうな他の会社を探す、というのが今までの主流でしたが、そこにITの発達で、会社を売りたい現経営者と買いたい個人をマッチングさせるサービスが登場しました。会社を買うというとすごいことのように思えるかもしれないけど、中には、お金は少しでいいから、事業を続けてもらうことが優先という売りもあって、それがネット上で公開される時代になったんです。

 例えば、売りに出されている会社を紹介するあるサイトでは、
  ・北海道のフィットネス・ジム(従業員3人、売上7,000万円くらい)
    →売却希望価格0万円
  ・高知県の食品卸(従業員5人、売上3億円くらい) 
    →売却希望価格50万円
  ・東京都の薬局(従業員数3人、売上4,000万円くらい) 
    →売却希望価格100万円
といった感じです。

買う側にとっては、お金を働かせなければならない現代で、有力な投資の手段になるというメリットがあります。株・国債・不動産だけが投資ではなく、現実の会社も対象にできる時代になったということであり、選択肢が豊富になったわけです。株式投資だったら、お金を渡して稼いできてもらって、利益の一部をもらうだけでお手軽ですが、配当はせいぜい2~3%。でも、会社を買って(投資して)、自分で経営したら、あがりは自分のものです。

 でも、会社を経営するのはとても難しいですよね。事業と従業員を引き継ぐならば、とても難しいと思います。まず従業員に受け入れてもらえるかどうかです。会社を買った瞬間、全従業員にやめられたら、目も当てられません。ですから、買った会社の事業を買った人が事業を続けていこうとする場合には、2年間くらいかけて現経営者から引継ぎをしつつ、従業員との関係を作っていくなどの準備が必要だと言われています。ただ、単なる投資ではなく、自分自身ものめり込まなきゃいけなくて、従業員の方達と一緒に働いて業績を上げるのはとても大変なことだけど、とてもエキサイティングであることは間違いないでしょう。

 それほどやる気がないなら、買わない方がいいということになるのでしょうか? 
それは、そうとも言えません。中には従業員がいない会社も売りに出ていて、その場合、現経営者の事業を引き継げばよいということになります。自分の関心が高い業界の会社だったら、少しであったとしてもお客さんがついている会社を引き継ぐのは、起業のやり方の1つです。場合によっては、休眠状態の会社が売りに出ていることもあって、起業したいけど会社を作るのはめんどくさい(登記とか)という人は、最初から会社を買ってしまうやり方もあります。

 もちろん、チェックすべきこともいろいろあります。会社の財務内容のチェックしなきゃいけませんし(簿記の知識フル回転で使えます!)、従業員を雇い続ける大変さ・商品を供し続ける大変さには十分注意注意しなきゃいけませんし、他にも個人保証の借金がついていないか、会社に税金の滞納はないか、などなどです。
 
 大変なことは多いけど、個人でも会社を買うチャネルができたというのはとても大きい進歩で、いろいろな選択肢が選べるようになったということはのぞましいことです。今までは絶対に買えなかったんですから、自分でよく考えて、チャンスがあれば生かせるといいね!



小野正芳

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