簿記講座の講師ブログ

日本のリカバリー力

 皆さん、こんにちは!
簿記講座担当の小野です。
だんだん、春っぽくなってきました。眠くならないように!

 世界で猛威をふるっている新型コロナウィルス。日本にも大きな影響を与えており、経済的被害も甚大になってきています。このままでは大変な景気後退に見舞われるかもしれないという声もあり、とても心配です。

 こんな時には、過去の大きな出来事の後、どうなったか思い出してみましょう。
ここ20年くらいでも結構いろいろ起こっていて、そのたびに株価が変動して、大騒ぎになりましたが、皆さん、どのくらい覚えてらっしゃるでしょう?
  ・1995年 阪神淡路大震災
  ・1997年 金融危機(山一破綻、アジア通貨危機)
  ・2002年 ITバブルの崩壊、SARSショック
  ・2008年 リーマンショック
  ・2009年 新型インフル
  ・2011年 東日本大震災
  ・2012年 MERSショック(中東)
  ・2015年 チャイナショック(中国株バブルの崩壊)
  ・2018年 トルコショック(米国人牧師拘束に端を発した関税合戦)

 ほんとに、いろいろ起こっていますよね! その時はマスコミもそのニュース一色で「やばいやばい」ってなりそうですが、毎回、回復しているんです!

 1997年の金融危機の時は、山一証券が倒産して、拓銀が倒産して都市銀が11行から3行に減るきっかけになった年です。私は就職活動をやっていて「もう世も末、日本は終わった」なんて思ったけど、今は人手不足ですよね! このときは企業が抱えていた3つの過剰(人員、負債、設備)を一旦整理して、企業を身軽にしたことで、その後の成長につながりました。もちろん、一時的な痛みはありますよ。でも回復できたんです。(私はこの年に就職できませんでした。しかも、お前の努力不足って言われて…。)

 SARS・MERSも大騒ぎになったよね!
同じくコロナウィルスを原因とするSARS、MERSの時(いずれも株価10,000円くらい)は観光業が大打撃を受けました。でも、その後、観光立国を目指してやってきて、訪日外国人4,000万人が視野に入るところまできました。ちなみに2002年の訪日外国人は500万人、2012年は800万人くらい。2019年は3,000万人オーバーです!

 リーマンショックの時はほんと酷かったですよね!
一時、日経平均株価は40%くらい下がりました。所有していたTOPIXのETFや、NYダウのETFが紙くずになるんじゃないかと、気が気でありませんでした。ITのチカラで投資の透明性を高めて、必要なところに必要な資金が回る仕組みを作ることで、危機を脱しました。
1997年の金融危機と2008年のリーマンショックの時の就職内定率が過去最低90%(就職を希望しない人を分母から除くから、実質的な就職率は60~70%くらいと言われています)です。それが、今は98%や99%ですよね。ほんと、回復しているんです。

 東日本大震災の時もいろいろ大変だった!
東日本大震災の時は一時日経平均株価が8,000円くらいまで数日で20%くらい下がりました(直近の株価の高値は24,000円)。東北地方に工場を置いている製造業が多く、日本全体で物流が滞り、電気も使いづらく、かなり生活に制限がかかりましたよね。でも、企業はサプライチェーンを見直して、BCP(事業継続計画)をしっかり整備して、災害が起こっても、すぐに業務を再開できる環境を整えました。
 また、省エネを徹底しました。皆さん、今、どのくらい節電していますか? あのときみたいに意識的に節電している方は少ないのでしょうか? でも、現在の日本全体の消費電力は2011年より10%くらい減っているんです。それほど意識しなくても節電できる仕組みを作ったんですね。そんな工夫をしながら、日本経済は復活してきたわけです。

 コロナの騒ぎで株価は直近高値の24,000円からかなり下がりましたが、リーマンショックや東日本大震災の時と同じように、いずれ回復するでしょう。直近の失業率は2.4%程度で高度成長期レベル、2018年の給与総額は2兆円2,000億円で過去最高…、数字で見る限り、日本経済はいろんなことを跳ね返してきました! 今回の危機から回復するきっかけも必ずどこかにあります!

 こんな気持ちで、がんばっていきたいと思います。