簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 サッカーネタでもう一つ。

 ちょっと前、福島県のある町議会で、町議全員がサッカー日本代表のユニフォームを着て町議会を行ったというニュースが流れました。福島に日本代表などが合宿を行う施設があり、福島と日本代表は縁が深いというのが、その理由でした。それがほほえましい感じで報道されていました。もう、笑うしかありません。

 1つはユニフォームを着て町議会を開くことの意味が全くわかりません。私が所得税という名目で国に支払った税金は、地方交付税という形で福島県のその町にも配分されています。つまり、私が払った税金の一部がユニフォーム代になっているわけです。したがって、私にはユニフォームを着て町議会を開くことに対する意見を言う権利があります。

民間企業は支出したお金よりも多くのお金を得ることを目的の1つとして活動しています。それに対して自治体は支出したお金よりも多くの便益を得ることをその活動目的としているはずです。自治体の活動は収入につながらないので、どのくらいの市民の満足(幸福)度を高めたかという点で評価されるべきです。公園を作っても、誰にも収入は入りません。しかし、そこで遊ぶことによって市民の満足(幸福)度は高まるでしょう。儲かりませんから企業が公園を作って市民に開放するという活動はできません。だから、自治体が公園を整備するのです。では、町議会議員がユニフォームを着て会議を行ったら市民の満足(幸福)度は高まるでしょうか? ・・・・。無駄遣いとか、そんなレベルの話ではなく、「町議よ、あなたの役割は何ですか?」という話です。

 もう1つはそれを望ましい出来事であるかのように報道していることです(少なくとも私はそう感じました)。大阪の自治体が職員にネーム入りのスーツを支給していたとき、報道機関は「けしからん」といって批判しました。その自治体は「ネーム入りなので仕事中にしか着用できない」という苦しい言い訳で逃れようとしました。今回、福島の自治体が議員に休みの日に町中で着用できる日本代表ユニフォームを支給しました。

 なぜ、職員にスーツを支給するとけしからんと批判するのに、議員にユニフォームを支給しても批判しないのでしょう? 本質は同じなのに、それを覆っている表面(サッカー日本代表のユニフォームという時事ネタ絡み)が異なれば、いかにも違うものであるかのように報道しているわけです。ということは、報道機関は、大阪のスーツ支給と福島のユニフォーム支給の事例の本質が異なると考えているか、大阪に関して行った報道を忘れてしまっているかのどちらかでしょう。さぁ、どちらでしょう?



小野正芳

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