簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは。

前回、現金1,000万円を頭金として3,000万円の30年固定金利ローンを組み、2,000万円の土地と2,000万円の建物(耐用年数40年)を購入した人を想定しました。この人が生きている社会で毎年5%のインフレが生じているとします。すると、10年後のこの人の財産は次のようになります。

貸借対照表
土地 3,258万円 借入金 2,000万円
建物 2,409万円 純財産 3,667万円
5,667万円 5,667万円

土地はいくら使用しても減価しませんから、理論的にはインフレ率分だけ増加します。
10年後の土地の価格=2,000万円×1.05^10=3,258万円

建物は1年使用すると1/40だけ減価します。その一方で毎年5%のインフレにより増加します。
1年後の建物の価格=(2,000-2,000÷40年)×1.05=2,048万円
2年後の建物の価格=(2,048-2,048÷39年)×1.05=2,096万円
・・・
10年後の建物の価格=(2,470-2,470÷31年)×1.05=2,409万円

借金は30年ローンですから10年分返済済みです。インフレに関係なく借入金額を返済するだけです。

結果として、純財産は1,000万円から3,667万円に増加しました。5%のインフレが起きれば借金をきちんと返すだけで、2,667万円の貯蓄をしたのと同じだけの財産を築けるわけです。財産が貯蓄というお金ではなく土地・建物という不動産の形をとっているだけですね。借金の額が多ければ多いほどその効果は大きくなりますから、インフレ期には頭金など入れずにフルローンで購入すべきなんですね。あくまでも経済学的には。

ところが、デフレの社会ではどうなるでしょう? これとは逆のことが起きます。つまり、借金の返済をきちんと行うと財産を減らすことになってしまうのであり、デフレの時代にはできるだけ借金をせずに住宅を購入すべきということになります。

では今後の日本の経済状況はどうなるでしょうか?

現状ではほんの少しのデフレです。ということは借金をして住宅を買うということは、財産全体を減らしてしまうということになります。でも、一方で、国の借金がもういっぱいいっぱいになっているから金利が上昇し、ハイパーインフレの世界が到来するという人もいます。であれば、ちょっとした豪邸をフルローンで購入しておくことがベストです。さぁ、どちらに賭けますか?



小野正芳

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