簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 今、個人向け国債の一種として復興(応援)国債という国債が発行されています。もちろん、その名の通り、復興資金として使うお金を集めるための国債です。

 この国債は当初3年の金利が0.05%、4年目以降の金利が変動金利となっています。0.05%という金利は個人向け国債の下限金利であり、いってみればほぼボランティアでお金を貸してくれる個人を探しているようなものですね。しかも、4年後からは変動金利に移行しますので、お金を貸した人にとってみれば、最初の3年は0.05%の利息をもらって復興に貢献し、4年目からは通常の利息をもらうという、人間心理に訴える金融商品になっていると思います。

 復興ということばがついていれば多くの日本人が関心を示すであろうことは目に見えています。私も最初はオっと思いましたが、すぐに気持ちを切り替えました。2つの点で合理的ではないと思ったからです。

 1つめは復興に貢献したいのなら寄付をすればいい、あるいはボランティアとして労働を提供すればいいということです。私たちは個人向け国債を金融機関で購入することになります。政府は金融機関に販売手数料を支払うわけです。つまり、私たちが購入した金額のうち一部は金融機関に落ちて、残りが復興に回されます。しかも、当初3年であっても0.05%の利息を受け取り、かつ元本は返してもらうわけですから、どれだけ復興に貢献できるのか疑問です。

 それよりも、地方自治体の口座に直接寄付すれば、金融機関に手数料を取られることはありませんし(むしろ、地方自治体の預金に対して金融機関が利息を支払いますね)、私が送金した額すべてを復興に使うことができます。

 2つめは4年後から変動金利になっているということです。政府が、0.05%という個人向け国債の下限金利で復興に貢献してもらうことを国民に期待しているのならば、10年後の満期までずっと0.05%の金利にすべきではないかと思います。

 私は近いうちに日本の財政が破綻して超インフレがくると信じています。インフレの時には現金と固定利付き債券がもっとも不利な資産です。インフレになれば現金の価値は落ちます。昨日100円で買えた物が今日は120円になっているという世界です。ということはインフレ時には現金を持つべきではありません。債券(国債)は数年後に現金をもらう権利です。インフレ時には現金の価値が下がりますので、現金を受け取る権利である債券の価値も下がります。しかし、変動金利の債券であればインフレに伴って金利も上昇しますから、固定利付債券のように不利にはなりません。

 つまり、何を言いたいか。国は「3年後くらいに超インフレ社会になるから、当初3年だけは固定金利で借りるけど、4年後からは国債購入者に迷惑をかけないようにしておきますよ」ということを認めているのではないかと思ってしまったわけです。

 インフレ時に最も強い資産は金・銀などのコモディティ、不動産、株式です。なんと、この復興国債には金貨、銀貨のプレゼント付きです。国がインフレ社会がくることを予測しているのは確実です。ということは、めちゃめちゃな諸費用がかかっても不動産(マイホーム)を入手する方がいいのでしょうか?



小野正芳

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