簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 5月に埼玉県、千葉県の一部で断水しました。その原因は、埼玉県の浄水場で規定値を超えるホルムアルデヒトが検出されたからということでした。問題が見つかった浄水場と同じ水源の浄水場で断水が起こったとのことです。

 様々な報道機関が埼玉県の浄水場にインタビューをします。そうすると、職員がこう答えます。「直ちに人体に影響を及ぼすことはありません。」大震災のときもあらゆるところで聞きましたね。「この放射線量は規定値を超えているけれども、直ちに人体に影響を及ぼすことはできません。」

 多くの人はこう思ったことでしょう。「じゃ、どれくらいだったら、人体に影響を及ぼすのか?」、「じゃ、そもそもその基準値は何のために設定されているのか?」基準の意味が分からないので、その後、数値に基づいて様々な説明を受けても安心できない状態になります。そして、のど元を過ぎれば熱さを忘れていくわけです。

 私は仕事柄、常に数字を扱っています。数字を扱う仕事の特徴は経過観察することです。毎日、ある数字の動きをチェックしていきますから、「あっ、この数字が高く(大きく)なった」なんてチェックを毎日しているわけです。そのため、仕事に関係なくても、話題になっている数字を経過観察したくなってきます。そうすると、数字上は問題になった(ニュースとして報道された)とき全く変わっていないのに、世の中の関心がほとんどなくなっていることにしばしば直面します。

 ホルムアルデヒトがどの程度ならば人体に影響を与えるのか、放射線量がどの程度ならば人体に影響を与えるのかは分かりません。調べようとしても、本格的に勉強しなければ正確に知ることができないからです。目安として報道されている数字はありますが、そのような数字は、「様々な条件の下で、一定の条件をクリアしたときに、安全といえる」数字であることがほとんどです。

どんな世界でも数字には特有の意味が持たせられているはずです(会計の世界でも、負債だけをみてはいけないということは当然の知識ですね。しかし、世間では政府の借金だけが取り上げられ、政府が所有する資産に関する報道をみたことはありません)。そんなことまで考えて目安となる数値を考えなければならないわけです。

 とすると、「規定値を超えたから断水します。しかし、人体に影響を与えることはありません。」というのはもう全くもって理解不能な世界となってしまいます。

 何を信じて生きていけばいいのでしょう?



小野正芳

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