簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 ところで、126円の商品に含まれる消費税はいくらですか?

 ブブッー。時間切れです。というのは冗談で、皆さんご存じのとおり、126×5/105=6円ですね(消費税の場合、1円未満切り捨て)。 

 現在、消費税は内税方式になっており、多くの消費者は商品価格の中にいくらの消費税が含まれているのか即時に計算しにくくなっています(もちろん、計算はできるでしょうけど・・・)。とすれば、消費者が消費税を意識して消費行動をするとは考えにくく、消費税が数円違ったって消費活動にはほとんど影響を与えないということになります。学者によっては、課税当局はこのような消費者心理を巧みに利用して消費税内税化という政策を行っているという人もいます。

 私は専門学校・大学・高校などいろいろなところで簿記・会計の授業を行うことが多いのですが、特にこのことを痛感することが多いのです。すでによく言われていることですが、百分率が分からない学生さんが非常に多いのです。

2級の商業簿記では消費税の処理が求められますから、「1,000円の商品に上乗せされる消費税はいくらでしょう?」と尋ねると、「・・・」という場合が多いんですね。「電卓を使ってもいいですよ」と言っても「・・・」。電卓にどのように入力すれば消費税が出てくるのか分からないらしいのです。

そこで「3,800円のTシャツがバーゲンで30%引きだったらいくらで買えるの?」と聞いても「・・・」。追加で聞きます。「バーゲンで商品が割引されているとき何円安くなるか計算しているの?」。すると学生さんはやっと答えてくれます。「いや、していません。安くしてくれているのは間違いないので。」そのクラスにいた30人のうち27人が「いくら安くなるか分からない」というのです!!!

 課税当局(財務省)が行った消費者心理を巧みに利用した消費税内税化という政策にはこうした学力低下が見越されているのではないかと思うのは勘ぐりすぎでしょうか? バブル時代までは高級官僚が「国民は利口ではないので、私たち官僚が導いてやらなきゃいけない」と考えていたらしいのは、いろいろな週刊誌で何度も何度も報道されたことですが、そのことが思い出されました。

 でも一方で文部科学省は学力アップに取り組んでいますよ。政府というグループを考えると、グループとしての戦略が中途半端になってしまっています。この際、文部科学省も「学力アップ政策はやめます。ゆとり教育を続けます。そうしないと消費税収が増えないので。」と、グループ経営を目指してはどうでしょう? (もちろん、冗談です。)



小野正芳

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