簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 世の中不思議なことが多いですね。特に税の世界では不思議なことだらけです。

 普段は会計という領域に関わっていると一貫した理論で説明される項目が多い、というより理論は世の中の事象を一貫的に説明する道具であるということを実感させられます。しかし、税の世界に入ると、一貫的な理論で説明されている事柄が非常に少ないと感じます。

 例えば、消費課税はその代表です。例えば、住宅を購入したら消費税が課税され、住宅を借りたら非課税です。賃貸住宅が非課税である論拠として、社会政策上の措置である(要するに、住宅にまで消費税をかける必要最低限の生活に支障をきたすでしょうから課税しませんということ?)とされています。ただそうすると食品も非課税にしなければならないことになってしまいます。一貫性がないなと感じてしまう点です。

 賃貸住宅を借りる場面に限ると非課税の話になりますが、そもそも大家さんは住宅をメーカーから購入しています。メーカーから購入した住宅を貸しているわけです。ということは大家さんは住宅購入時に消費税を払っているはずです。しかし、家賃に消費税がかからないことになっています。でも大家さんが支払った消費税を全部自分でかぶるということはあり得ないでしょう。それじゃ損してしまいますから。大家さんも慈善事業ではないでしょうから、住宅購入時に支払った消費税を何とかして居住者から回収したいと考えるはずです。

 その場合、家賃の額面をアップさせたり、管理費をアップさせるということになるでしょう。つまり、賃貸住宅の居住者は消費税は取られないことになっていますが、実質的には取られているということです。そもそも、居住者から実質的に消費税が回収されるのであれば、消費税法上、家賃を非課税にするという無駄なことをするのはなぜでしょうね? 

ここまで想定すれば、消費税も一貫した法律と言えるのかもしれませんが、ここまで想定した一貫性を主張する理論は何だからまわりくどくて、あまりいい理論とは言えないかもしれません。

 また、他の資産との兼ね合いでも一貫性が保たれていないといえます。例えば、車を買ったら消費税が課税され、レンタカーなどとして借りても消費税が課税されます。まさか、この期に及んで車は贅沢品だから、必要最低限の生活には必要ないでしょ? なんていわないですよね。車がなければ物流が滞り、私たちは食料を手に入れることすらできませんからね。生活システム全体を考えると、食料と同じくらい車は重要なものです。そうであれば非課税の対象となっていいと思いますけどね。いまいち、理解できません。



小野正芳

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