簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 先日、センター試験の廃止に関するニュースが流れました。現在のセンター試験を廃止して、高校在学中に複数回受験できる「到達度テスト」を実施するのだそうです。新聞で報道されたところによると、その目的は「大学志願者の学ぶ意欲を引き出すことで高等教育の質を高め、国際社会で活躍するグローバル人材の育成につなげる」ことだそうです。センター試験でできるだけ高得点をとるために必死に勉強してきた世代にしてみれば、「おっ!」と思ってしまいますね。

 この記事と同時に、45才以下の人たちを対象にした京都大学教授の調査も掲載されていました。その調査によると、筆記試験を受けて大学に入学した人の平均所得は470万円だったのに対し、筆記試験なしで大学に入学した人の平均所得は394万円だったそうです。

 お金だけが判断基準になるとは思いませんが、もらう給料は安いより高いほうがいいでしょう。高い給料をもらうためには会社により高い労働サービスを提供しなければなりません。より高い労働サービスを提供するためには、より多い知識とそれを使いこなす能力が必要でしょう。知識は覚えればすぐに身につきます。問題はその使い方です。

 知識を使いこなす能力を高めるためには、高校まで勉強する国語・英語・数学が役に立ちます。国語・英語・数学の肝は論理的思考能力を育成する科目だからです。「A→B→C→Dだから、AはDだよ」という流れを、国語の授業では現代文や古文をネタにして、英語では英文をネタにして、数学では数式をネタにしてやっているだけだと思うんです。もちろん、その論理展開をするときに必要な技術(数学の公式など)も役に立つでしょう。でも、本当に大切なのは論理的な展開をできるかどうか何ですね。

 より高い労働サービスを提供するためには、他人からいわれなくても、自分で仕事の目標を立て、その目標を達成するためにどのような手段をどのように用いて仕事を進めていくかを考えることが必要です。大学入試の筆記試験を受けるために国語・英語・数学の勉強を一生懸命すれば、この能力が育成されるんだと思います。その結果が、平均所得に現れているのだと思います。

 「数学なんて、一生使いませんよね? なぜ、勉強しなきゃいけないんですか?」という学生からの問いに対して「解くおもしろさを知って欲しい」などと答えてしまう先生もいるでしょう。内田樹さんによると、現代の子どもは最初から自分に役に立つかどうかを判断基準にしているようですから、そんな子どもに対して「おもしろさ」なんていっても無意味です。ではどうやったら学生さん達に論理的思考能力の大切さを教えることができますかね。



小野正芳

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