簿記講座の講師ブログ

若者の投票率

皆さん、こんにちは。

先月、参議院議員選挙が行われ、自民党の圧勝に終わりました。
新聞報道等によると、ほぼ予想された結果であったそうです。

予想外だったのは、ネットによる選挙運動が解禁され、若年層の投票率アップが予想されたにも関わらず、全く効果がなかったということくらいでしょうか。

でも考えてみれば当然ですよね。
ネットで候補者の演説を聴くことができるようになった、候補者が有権者にメールを出すことができるようになったといっても、
若者が投票に行かないのは、そもそも候補者の主張に関心がないことが原因なのですから、
どれだけ候補者の主張を聞きやすくなったとしてもまったく無意味ですよね。

ではどうすれば若者の投票率が上がるのでしょう?

こういうときには逆に視点から考えるのが1つのやり方です。
つまり、年齢が上がるにつれて投票率が上がるのはなぜだろうと考えてみましょう。
30代、40代になるにつれて投票率は上がります(http://www.akaruisenkyo.or.jp/070various/071syugi/693/など)。
それはなぜなのでしょう?

答えは簡単です。

年齢が上がるほど、投票することによって恩恵を受けるからです。
年齢が上がった場合に投票率が上がるのは、年齢が上がることによって政治に関心を持つようになるという抽象的な話ではなく、年齢が上がるとともに実際に経済的恩恵を受けるんです。
0代になれば、子育てが始まります。子育てにはお金がかかりますが、子どもの医療費や教育費は政治の力によって高くなったり安くなったりします。
子どもの医療費を減らす政策をアピールする候補者は結構いますよね。

日本の社会保障は高齢者に異常に優しく、若者に異常に厳しい制度ですから、年齢が下がれば投票率が下がるのは当然です。
極端な話、年齢が上がるほど、投票すれば自分の出費を減らすことが可能になるわけです。

投票権は権利です。義務ではありません。
権利を持つ人はどのような場合にその権利を行使するでしょう?

答えは簡単です。

その権利を行使するのは、自分にメリットがある場合に限られるということです。

では、今の日本で、若者が投票すればどのようなメリットがどのくらいあるのでしょう?

もちろん、間接的なメリットはたくさんあるでしょうが、直接的なメリットは少ない(というよりほとんどない)でしょう。

年齢が上がれば、自分の子どもの医療費が減る、自分の子どもの教育費が減る、受け取る年金が減らない、負担する自分の医療費が増えないなど、わかりやすい直接的・具体的メリットがあります。
若者にもそんなわかりやすいメリットを示してあげると、敏感に反応する層から徐々に投票率が上がると思うのですが・・・。