簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

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2013/09

海外脱出

未分類

皆さん、こんにちは。

 前回も書いたように、多くの日本国民にとって、日本は先進国の中ではダントツに税負担が軽い国です。
しかし、年収3,000万円を超えるとアメリカやフランスよりも税額が多くなり(厳密には実効税率が高くなり)、5,000万円を超えるとドイツよりも税額が多くなります。
ですから、日本は庶民からはあまり税金を取らず、お金持ちからより多くの税金を徴収している国なんですね。

 しかし、徴収される側になると、この仕組みはあまりいい仕組みとはいえません。
働いてがんばって、稼げば稼ぐほど税率が高くなるからです。そこでお金をたくさん持っている人は考えます。
税金が安い国はどこかな? 
探してみると、新興国といわれている国の税率は先進国よりもかなり低いことがわかります。香港やシンガポールは日本のお金持ちにとって絶好の移住先です。
最近は通信ネットワークが発達していますから、ネットさえつながっていればできる仕事も多くなってきているので、別に日本にいなくてもいいんですよね。
仮にフォーサイトという会社および社員が丸ごとシンガポールに移住したとしても、これまでとまったく同じサービスを皆さんに提供できます。

 ですから、日本から多くのお金持ちが海外に脱出し始めているそうです。日本は多くの問題を抱えています。その問題を解決するためには莫大なお金がかかります。
政府が借金を返済するだけでも1,000兆円必要ですし、様々な社会の仕組みを維持し続けるためにはもっと多くのお金が必要でしょう。それを国民が税や社会保険料という形で支払っているわけですね。
しかし、お金持ちになればなるほどよりたくさんの税金を徴収され、その額は年々増加しています。稼ぎをできるだけ多く手元に残すためには、支払う税金を節約することが最も手っ取り早いわけです。

それに対して、お金持ちなのに税金を支払わないのはけしからん、的な批判がなされます。まさにその通りです。
でももう少し具体的に批判しましょう。お金持ちの人々は有能なのでしょう。

もちろん、ご本人の努力によるところが大きいのでしょうが、努力する環境が国によって用意されたことにも注意を向けなければなりません。
国は人を育成するための教育システムを作り上げています。その教育システムによって、能力を磨くことができたわけです。
つまり、国はすべての日本国民に、教育という投資をしている存在です。
ですから、投資を受けた人をそのリターンを提供しなければなりません。

教育によって知識・技術水準が上がり、それが現在の収入につながっているのであれば、その収入から投資元(国)へリターンを提供しなければならないのです。

つまり、庶民が、海外に脱出しているお金持ちを批判するためには、「なぜあなた方を教育するための資金を、我々庶民が負担しなければならないのか」と批判してあげましょう。



小野正芳

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