簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは。
 
年金財政の再検証結果をくわしくみるほど、夢と希望が遠のいていくような気がします。
政府は所得代替率(現役世代の平均給料に対する平均年金支給額の割合)50%以上を
確保した年金制度の維持を約束しています。

要するに、「高齢者に払う平均年金額を現役世代の平均給料の50%以上で
確保した状態で年金制度を維持します」と約束しているわけです。
現役世代の平均給料が500万円だとすれば平均年金支給額は250万円以上を確保するということです。
 
「労働参加が進む」ケース(A~E)でぎりぎり所得代替率50%を超えています。
でも、でも、この条件がけっこう厳しいですよね。

まず、「労働参加が進む」とは次のケースです。これだけ高めるために必要なことは何でしょう?
・60-64歳の男性の就業率が87%になる(現在は70%)。
・65-69歳の男性の就業率が65%になる(現在は46%)。
・25-40歳の女性の就業率が85%程度になる(現在は70%程度)。

物価上昇率はEのケースでも1.2%です。
ちなみに2013年を100としたときの1980年の物価は77です(総務省統計局)。
つまりバブル発生前から現在までの33年間の平均で、毎年約0.8%の物価上昇だったということです。
Eのケースは、今後、毎年、平均でその1.5倍の物価上昇が起こるという計算です。

実際に起こる可能性があるのでしょうか?

賃金上昇率は過去のデータをすぐに探せず、妥当なのかどうかわかりません。

運用利回りは国民から保険料とした預かったお金の運用利率です。
物価上昇分を除いた実質の数字ですから、名目上は物価上昇分を上乗せした分の実現が必要です。
Eのケースでは、名目上、毎年平均4.2%の利回りが必要です。

資産のうち6割以上を、利率0.8%程度の国債で運用している
年金資金が4.2%の利回りを得るためにはどんな奇策があるのでしょう?

このように、ざっと見ただけで所得代替率50%を超えるための
ハードルがかなり厳しいように見えるのです。

あぁ~とネガティブになってしまった今日この頃です。



小野正芳

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