簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは。

 

2012年からアベノミクスが始まり、徐々に景気が良くなっているといわれています。就職戦線では超売り手市場で、企業は“オワハラ”までやらなければ人材を確保できないそうですね。その一方で、景気が良くなったか実感できないという意見も多々あり、いったいどちらなのでしょう?

 

資格試験も景気の大きな影響を受けます。

ただ、その影響は、受験生にとって、とても利用価値の高いものです。

 

次の表は簿記検定試験2級・3級をあわせた申込者数・受験者数・合格者数・合格率(=合格者÷実受験者)を示します。

年度 申込者 受験者 合格者 合格率
2014 511,603 394,588 154,507 39.16%
2013 538,939 413,455 147,535 35.68%
2012 559,560 432,137 154,950 35.86%
2011 587,147 449,086 189,690 42.24%
2010 680,988 524,801 175,114 33.37%
2009 670,300 508,838 167,250 32.87%
2008 610,426 461,018 181,408 39.35%
2007 563,605 427,810 140,676 32.88%
2006 532,150 403,198 150,822 37.41%
2005 517,395 393,885 149,964 38.07%
2004 505,906 390,378 115,892 29.69%
2003 505,248 403,743 145,581 36.06%
2002 490,833 391,616 135,279 34.54%

 

この表をご覧になって、どんなことがわかると思いますか?

この表をグラフにしてみましょう。

01

散布図にしてみると上記のとおりとなります。

相関係数は-0.07であり、ほとんど関係がないと判断されると同時に、図の中に近似直線を引いてもほぼ横線で合格率(縦軸)と申込者数(横軸)に何らかの関係を見いだすことはできません。

 

そこで、統計処理を行う場合によく行われる異常値の排除を行ってみましょう。合格率の中で、最も大きな値と最も小さな値を異常値と見なしてそれを排除した上で散布図にしてみると、次のようになります。

02

こうすると近似直線が明らかに右下がりとなり、相関係数は-0.44となります。相関係数-0.44ですから、かなり強い相関があると判断されますね。つまり、受験者数が多くなると合格率が下がる、あるいはその逆で受験者数が少なくなると合格率が上がるというわけです。

 

受験者が少ないのはいつ頃でしょう?

最近と2000年代前半ですね。最近はアベノミクスで景気がよく、2000年代前半は小泉劇場でITバブルが発生し、景気がよいとされていた時期です。つまり、

 

景気がよい=申込者数が少ない=合格率が高い

 

という関係ですね。景気がよい時期に申込者が少ないのは、おそらく、勉強などしなくても職が見つけやすいからでしょう。

 

逆に申込者数が多いのは2009年、2010年です。リーマンショック後の時期ですね。

合格率は30%代前半と、全体の中でもかなり低水準になっています。

職を得るため(自分をアピールするため)には資格を取得するのが最も効果的ですから、少ない求人を自分のものにするために多くの人々が一生懸命勉強したのでしょう。

 

これはまさに、アリとキリギリスの話ですよね。

アリは、夏(楽な時代)の間、キリギリスが遊んでいる間に、冬(厳しい時代)のための準備を一生懸命しました。だから、冬(厳しい時代)になっても苦労することなく過ごすことができました。

資格の世界に置き換えると、多くの人々がそれほど苦労せず職を得ることができる時期に、職を得ることが難しい時期のための準備をするために、敢えて苦労して各種資格の取得を目指すというところでしょうか。

 

ただ、ただ苦しいのではなく、申込者数が少ない時期の合格率は高くなるのですから、比較的容易に資格を取得できるチャンスと捉えることができますね!

景気がよいといわれている時期にはレジャーを少し休んで、自分磨きをしてみるのもいいかなと思った、今日この頃です。



小野正芳

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