簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは。

 

売上原価。わかっているような、わかっていないような感じの勘定ですね。

この売上原価の計算についても、多くご質問をお受けします。

ここで少し理解を深めましょう。

 

売上原価とは、販売した商品の仕入価格です。

100個仕入れてそのうち80個販売した場合、次のように利益を計算します。

 

売上総利益=80個分の販売価格(売上)-80個分の仕入価格(売上原価)

 

「仕入」勘定には100個分の仕入価格が書かれているのですから、単純に「仕入」勘定の金額を引いてはいけないのでしたね。そこで、販売した80個分の仕入価格のことを「売上原価」と呼んで「仕入」とは区別するのでした。

 

売上原価=当期仕入(100個)-期末在庫(20個)

 

というように、期末在庫がある場合には、当期仕入から差し引く必要があります。

 

また、20個の期首在庫をもって今年の業務を始め、50個を追加で仕入れ、そのすべて(70個)を販売した場合、

 

売上総利益=70個分の販売価格(売上)-70個分の仕入価格(売上原価)

 

「仕入」勘定には50個分の仕入価格しか書かれていません。販売したのは70個ですから、期首在庫の20個を足してあげなければなりません。

 

売上原価=当期仕入(50個)+期首在庫(20個)

 

これら2つの話から、期首在庫も期末在庫もある場合には、

 

売上原価=期首在庫+当期仕入-期末在庫

 

という、テキストの式が出てくるわけです。

売上原価の計算を行う場合には、期首在庫、当期仕入、期末在庫の数字をこの式に当てはめて計算すればいいのですが、商品有高帳がある場合には、商品有高帳からも売上原価を求めることができます。

 

例えば、次のような商品有高帳があった場合、売上原価はいくらでしょうか?

 

商 品 有 高 帳
(移動平均法) メモリカード
平成
×年
摘 要 受 入 高 払 出 高 残  高
数量 単価 金額 数量 単価 金額 数量 単価 金額
11 1 前月繰越 10 2,000 20,000 10 2,000 20,000
12 仕入 40 2,200 88,000 50 2,160 108,000
16 返品 10 2,200 22,000 40 2,150 86,000
18 売上 35 2,150 75,250 5 2,150 10,750
24 仕入 45 2,300 103,500 50 2,285 114,250
30 売上 30 2,285 68,550 20 2,285 45,700

 

売上原価とは販売した商品の仕入価格です。販売した商品は払出欄に書かれています。

11/18と11/30の記入が販売を示しますね(16日は返品であり、販売ではありません!)。

ですから、11/18と11/30の75,250円と68,550円の合計143,800円が売上原価となるわけです。

 

念のため、先ほどの式に当てはめて計算してみましょう(返品は当期仕入のキャンセルですよ!)。

 

売上原価=期首在庫+当期仕入-期末在庫

=20,000+(88,000-22,000+103,500)-45,700

=143,800円

 

ということで、同じ金額になることが確認できましたね。



小野正芳

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