簿記講座の講師ブログ

第151回簿記検定試験お疲れ様でした

皆さん、こんにちは。 
簿記講座担当の小野です。
暖かくなったり、寒くなったり。絶対に体調は崩さないように!

第151回検定試験が終わりました。簡単に振り返っておきましょう。

3級はオーソドックスな設問であり、
過去問中心に勉強してきた方にとってはとても取り組みやすい問題であったと思います。
過去問中心に勉強していれば74~89点の得点が十分可能な問題であり、
合格率も前回と同じくらいになるものと予想されます。
合格のポイントの1つである第3問試算表は重複する取引が含まれない、
最も簡単な形式の試算表作成問題でした。
もう1つのポイントとなる第5問は財務諸表の問題となっており、
第5問に含まれていた車両売却の問題の難易度も高く、
オーソドックスな精算表よりも苦手にする方が多い問題だったと思います。
第5問を少し難しくしたため、第3問をかなり易しくしたという感じでしょう。
 
2級はかなり難しい問題でしたね。
ネット上でも、第3問の連結の問題について、様々な意見が飛び交っているようです。

現実社会では、子会社が2社あるケースも多々あるでしょう。
しかし、連結会計を初めて学ぶ2級レベルの問題で
複数の子会社に関する処理を行わせるのは少しハードルが高すぎますし、
社会一般における簿記2級に関する認識とかなりズレがあるように感じます。
企業で行っている会計処理のほとんどは、
企業が経営活動の中でルーティンで行っている取引の処理、
毎年同じように繰り返される簿記一連(決算)の処理です。
ですから簿記検定でも、基本的な取引で構成された簿記一連の手続きを
きちんと行う能力があるかどうかを測ることが必要です。
そして、そのような基礎能力を測る仕組みであることこそが、
簿記検定の社会貢献だと思います。
そもそも簿記検定試験は単独で存在しうるのではなく、
簿記の基本的知識・技術を身につけていることを保証したい人(受験者)、
他人の簿記の能力を確認したい人(雇用主)などの社会的な要請があって、
それに応える形で初めて存在しうるものだと思います。
そのような基礎的な力を身につけた資格取得者が経理の現場で、
各企業の事情に合わせて、
基礎力を応用させながら現実の経理作業を行っていくのだと思います。
しかし、今回の第3問はそれ自体がかなりの応用問題であり、
受験生が身につけた簿記の
基礎的な能力を測ることを目的としているのかという点から見ると、疑問です。
もちろん、今は過渡期ですから、どのようなレベルで出題すればいいのか、
商工会議所も試行錯誤なされているのだと思います。
多くの方々に基礎的な簿記の能力を身につけてもらい
社会に送り出すことが出来るような検定試験になることを願ってやみません。