簿記講座の講師ブログ

新電力が…

 皆さん、こんにちは!
 簿記講座担当の小野です。
 おいしいものをたくさん食べられる時期で楽しいんだけど、ちょっとおなかが・・・ボタンが・・・マズイ・・・。

 電気代が高くなっています。でもまだ使えるならマシかもしれません。
 というのは、新電力が電力の供給を停止するケースが相次いでいるからです。

 東日本大震災前は地域ごとに電力会社が1社だけ存在し(関東ならば東京電力)、地域に独占供給していました。電力供給というインフラを安定させるために競争が生じないようにするためです。その代わり、電気料金は政府の認可制であり、電力会社が自由に決めることは出来ませんでした。ただ、1社独占の場合だと、電気料金が硬直化する、電力供給のバッファがないなどのデメリットも生じます。
東日本大震災後、そのデメリットが顕在化したため、政府は電力の自由化を進め、多くの電力販売会社(新電力)が誕生しました。アメリカでは電力を自由化した後、停電が頻発したため(電力会社間の競争が激しくなって、電力供給のための管理コストをケチったことが大きな原因)、そんなデメリットがあるから自由競争にはしないほうがいいという反対意見もありましたが、政府は押し切って、多くの会社が自由に電力販売事業を行うことができるようになりました。
 
 新電力は、電力会社や発電所を持つ民間企業から電気を仕入れ、それを販売します。電力会社や民間企業から電気を仕入れることができない(足りない)場合には、電力市場から仕入れてきて供給しました。
 しかし、ロシアのウクライナ侵攻が電力会社などの発電コストを跳ね上げ、電力市場で売買される電気の価格も跳ね上がりました。一方、新電力は事前に契約した価格で顧客に販売しなければなりません。その結果、仕入価格>販売価格となるケースが相次ぎ、2割の新電力(146社)が事業停止するに至りました。
 事業停止した新電力から電気を買っていた顧客は臨時的に地域の電力会社(東京電力など)から電気を売ってもらえますが、別の会社と新たに契約しなおすなどのコストがかかります。また、節電要請が発出されるなどの電力不足状態になると臨時的な供給にも問題が生じかねません。

 資源の価格が上がるだけでなく、資源に関する経済活動も大きな影響を受けているのが現在です。エネルギー問題を何とかしなければなりませんね。