簿記講座の講師ブログ

電源はバランス、人もバランス

 皆さん、こんにちは!
 簿記講座担当の小野です。
 めっきり寒くなりました。体調管理に気をつけましょう!

 先日、2021年度の電源構成が発表されました。ざっくりいうと、日本は、火力70%、再生エネ20%、原子力10%で、再生エネが初めて20%を超えました。皆さんご存じの通り、再生エネは水力・風力・太陽光・地熱など自然界に存在するエネルギー源を指します。日本では20%を超えましたが、そのほとんどが太陽光に偏っています。

 ロシアのウクライナ侵攻で、日本に資源がないことが改めて認識されました。ロシアからの原油・天然ガスを輸入できない(あるいは輸入量を減らさざるを得ない)状況になり、中東への偏りが高まりました。その中東(特にサウジアラビア)はロシアとOPECプラスで原油供給量を調整していますし、軍事的にアメリカよりもロシア寄りになっていっていますから、日本としてはなかなか難しい状況になりつつあります。ですから、日本としては火力以外で発電できる手段を増強しなければならない状況にあると思います。

 海外を見てみると、例えばイギリスは火力40%、再生エネ40%、原子力20%です。アメリカは火力60%、再生エネ20%、原子力20%です。イギリスやアメリカは原油が取れるにもかかわらず、日本よりも原油依存度が低いことが分かります。また、中国は火力60%、再生エネ30%、原子力10%と、再生エネの割合が日本よりも高くなっています。

 世界情勢、日本のエネルギー事情を考えると、日本が進むべき道は電源の多様化でしょう。「卵は一つのカゴに盛るな!」 株式投資を行う際には資金を1つの銘柄につぎ込むのではなく、複数の銘柄に分散させてリスクを回避することを示す格言です。これと同じで、電源も複数の手段をバランスさせるのが最も望ましいはずです。政府も2030年度の目標として再生エネを40%程度、原子力を20%程度に高める目標を掲げました。

 こんなことを考えると、人への投資もバランスよく行う方がいいのではないかと思います。いつ頃からでしょうか、オンリーワンという言葉がよく使われるようになりました。そのオンリーワンの素質が求められているうちはいいですが、変化が激しい時代です。すぐに異なる素質が求められるようになると、ただの人になってしまいます。だから、オンリーワンであるスペシャリストよりも、なんでもほどほどにできるゼネラリストがいいのではないかと思うのです。ただ、私はゼネラリスト目指して頑張ってきた結果、ただの人の状態で止まっていますが…。