証券外務員講座の講師ブログ

2022年相場展望①先進国株式・債券

皆さん、こんにちは。フォーサイト・証券外務員の専任講師伊藤です。

読者の皆さんの中には、証券や銀行を目指す方も多いでしょうから、今回は2022年の相場展望を語りたいと思います。まずは、先進国株式と債券について。

2022年は、2021年同様、米国経済がカギを握ると考えます。雇用統計など強弱続くような展開とはなっていますが、基本的には米国経済は順調と捉えて良いのではないでしょうか。もちろん、コロナ変異株次第では経済情勢が悪化する可能性はあるものの、株式市場は一度深刻な状況を経験していますから、同じようなことにはならないと思います。そのため、何かの拍子に大きく下がるようなことがあれば、買いに立ち向かう逆張り手法でのぞむのが賢明ではないでしょうか。

日経平均株価は、本稿執筆段階(2021年12月8日)で28,860円と若干ですが戻してきています。日経平均のPERは13.85倍。現状では13倍台後半~14倍台で推移しています。そのため、割安でも割高でもなく適正な水準ではないかと考えます。仮に、様々な側面から明るい兆しが見えてきた場合には、最大15倍程度までは上昇する可能性はあると考えます。仮に13~15倍で動くと仮定すると、おおよその目安は27,000円~31,500円前後です。ただし、この数値はあくまでも本稿執筆段階の数値による想定のため、変動する可能性は大いにあります。3万円台突破できるとよいですね。

日本経済も2022年にはコロナ前の経済に戻ると想定されています(GDP水準)。米国や中国は既にコロナ前に戻っています。そして、米国の金融政策は正常化へ進んでいます。一般的に、正常化へと舵が切られることで金利は上昇します。既にその兆候が見受けられ、継続的に、しかしながらややゆっくりと金利を引上げていくのではないかと思われます。金利上昇は債券や株式にはマイナスとなるものの、市場はある程度織り込んでいるものと想定されます。そのため、実際に金利を引上げるときには、むしろ株価も景気が良いという認識で上昇する可能性があります。債券価格もある程度織り込んでおり、実際に金利が上昇してもさほど下がらない可能性もあります。

<演習>
一種・二種受験者、いずれも解いてみてください。
次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
流通市場とは、資金調達の目的で新規に発行される証券が、発行者から直接にあるいは仲介者を介して投資者に第一次取得される市場(プライマリーマーケット)のことをいう。

<解答> ✕
第一次取得される市場(プライマリーマーケット)は発行市場の内容です。流通市場は第二次、第三次へと転々流通する市場です。