証券外務員講座の講師ブログ

2022年相場展望③外国為替展望

皆さん、こんにちは。フォーサイト・証券外務員の専任講師伊藤です。

前回、前々回に続き、2022年の相場展望を語りたいと思います。今回は外国為替展望です。
2021年9月下旬のFOMC以降、ドル円相場はドル高円安傾向が続いています。米国の早期金融政策正常化へと舵を切る確率が高まってきていることが背景にあります。為替相場を動かす理由には様々ありますが、大きく2つの要因が最終的には為替の変動に影響します。その2つとは、物価と金利です。短期的な目線から言えば、金利差に注目します。金融政策の見通しを反映しやすいといわれているのが、2年債利回りです。例えば、日米の2年債の利回りの差を確認することで、短期的な為替の値動きを推測可能です。2021年は日米の2年債の金利差とドル円相場がくっきりと連動していました。

もう一つの物価はどうでしょうか。物価はどちらかと言えば中長期的な面で為替変動の要因となり得ます。ただし、2021年は資源価格上昇、供給不足による様々な価格が上昇したこともあり、日本の貿易収支悪化要因につながっています。これが結果的に円安へと動かす要因の一つになっています。

金利、物価両面から見て、円安ドル高になりやすい状況であることは2022年も変わらないでしょう。コロナ情勢によっては短期的には逃避による円買いにより、若干の円高へと触れる可能性はあるものの、むしろその際には外貨を買うチャンスとなることでしょう。経済状況から見ても、米国、ユーロ圏の方が日本よりも早く回復を遂げているため、いずれにおいても円安傾向ではないかと想定します。

ただし、大幅な円安になるということは考えにくいかと思われます。既に2023年末にかけてのFRBによる利上げは織り込み済みでしょう。そのため、円安傾向であり、円高へと大きく振れる可能性は少ないとみています。また、投機筋の円売りポジションも高水準となっていますので、ここからさらに増加するかというとなんとも言えないところです。そうした状況を考慮して、2022年は1米ドル=110円~120円あたりで動くのではないでしょうか。また、ユーロ円に関しては、米ドルほどユーロが高くなるとは言えず、ドイツの景気回復後ズレなどがユーロ安要因となり得る可能性もあることから、円に対して見れば若干のユーロ高円安の動きとなるのではないかと想定します。米国とは異なり、ECBは早期利上げとまではいかない模様です。2022年は1ユーロ=125円~135円程度を目安にされるとよいでしょう。

<演習>
一種・二種受験者、いずれも解いてみてください。
次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
キャッシング業務に係る貸付限度額は、500万円までとされている。

<解答> ○
キャッシング業務は、500万円までと覚えておきましょう。