証券外務員講座の講師ブログ

2022年相場展望④貴金属・不動産

皆さん、こんにちは。フォーサイト・証券外務員の専任講師伊藤です。

既に2月に入っていますが、前回に続き、今回は2022年相場展望④と題して、貴金属・不動産について考えていきたいと思います。

貴金属と言えばまず金を挙げることができます。金はインフレに強い資産の代名詞であり、インフレ懸念が高まった2021年は多少の紆余曲折はあったものの、堅調に推移しました。
2022年は、引き続きインフレ動向と米国の金融政策に左右される年となりそうです。まず、インフレ動向に関しては、2021年に比べれば落ち着いてくるのではないかと想定しています。原油価格上昇や供給制約といった問題は、2021年ほどではないでしょう。そのため、金価格上昇の要因は2021年ほどは強くならないと考えます。一方で、米国の金融政策は着実に利上げの方向に動きそうです。金利上昇は金価格には不利となります。これは、金には利息がつかないためです。金利上昇時は利息の付かない金よりも、他のものへの選好が高まるため、金価格の下落要因となります。

とはいえ、両方とも市場は織り込んでいると思われます。そのため、引き続きインフレ懸念に注視しつつ、金価格は安定的な動きとなるのではないかと思います。

プラチナ価格はどうでしょうか。こちらは産業用として利用される割合が高いことから、半導体などの供給が順調に行われ、各国の経済成長が着実となれば価格は上昇する可能性があります。プラチナは金に比べると価格が低いものの、自動車産業、特に水素や燃料電池車の状況次第となります。こうした自動車が今後どれぐらい増加していくかにより、プラチナ価格にも反映されていくと想定されます。

不動産はどうでしょうか。インフレによる原材料費の上昇などにより、マンション価格などが上昇しています。パワーカップルによる都心のマンション買いといった話もありましたが、今後も都心を中心に不動産価格は堅調となる可能性はあり得ます。一方、人口減少が著しい地域ほど不動産価格は下落していくものと想定されます。二極化していくのは2022年も変わりはないと考えます。

以上、先進国株式・債券、新興国株式・債券、外国為替、貴金属、不動産の相場展望を語ってきました。資産運用では、何が起きても良いような対応をしつつ、その時々の見込みある銘柄などで運用を行っていく必要があります。あくまでも相場展望は筆者の見解です。不確実性が高まる昨今では、見通し通りにならないことも多くなっていますので、様々な検討を重ねた上で、投資は行うようにしてくださいね。

<演習>
一種・二種受験者、いずれも解いてみてください。
次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
公開会社は、必ず取締役会を置かなければならない。

<解答> ○
公開会社は、発行する株式について、譲渡の際に会社の承認が必要と定款で定めていない会社をさします。公開会社は、必ず取締役会を置かなければなりません。