証券外務員講座の講師ブログ

2023年の相場展望-不動産・貴金属

皆さん、こんにちは。
フォーサイト証券外務員講師の伊藤です。

第四回目は、不動産、貴金属の展望です。2022年は、新型コロナウィルスのパンデミック、ウクライナ情勢による不安感から貴金属価格を押し上げる要因となりました。また、これらの情勢に伴うインフレは、不動産、貴金属価格の押し上げに寄与しました。

国内の不動産は、日本銀行の金融緩和が今後も続くという想定と、インフレなどの要因、円安による海外投資家による購入など複数の要因が重なり合いながら高止まりの状況を呈しています。

それでは、2023年はどうでしょうか?米国の利上げ休止といった要因は米国を中心とした不動産価格にプラスの影響を与える可能性があります。もちろん、日本にもプラスとなり反映される可能性があります。ただし、米国の利上げ休止、さらには予防的利下げといった状況が想定されるようになると、米ドル安円高に伴い、海外投資家の日本の不動産買いはやや縮小する可能性もあります。とはいえ、他国に比べると利回りの観点からも魅力に映り、意外に堅調となる可能性もあると思われます。

国内要因から考えても、不動産価格は高止まりする可能性が高いと考えられます。日本の金融政策の方向性が変わらない限り、不動産価格が大きく下落することは考えにくいです。ただし、10年単位で見た場合、日本の人口減少は不動産にマイナスの影響を与える可能性があります。無難に投資するなら一等地などに投資するJ-REITが良いかもしれません。
貴金属に関しては、米国の利上げ休止、利下げといった方向は特に金価格の押し上げにつながることでしょう。ただし、円換算する場合は、米国の利上げ休止は米ドル安円高から、金価格上昇分を打ち消す可能性があります。金価格上昇分と為替で円高にふれる恐れがある分の両面を考慮すると、大きく値下がりすることは考えにくいと言えるのではないでしょうか?

銀やプラチナなどの貴金属は、主に産業用として利用されることから、コロナ禍に伴う生産稼働率が価格に影響することになるでしょう。中国の都市封鎖の動向が価格に影響を与える可能性があるため、都市封鎖は緩和されていくのかが鍵となりそうです。筆者は、緩和の方向に動くのではないかとみています。その結果、生産稼働率が高まり、銀やプラチナのニーズも高まっていくのではないかと考えています。

不動産、貴金属いずれにせよ、様々な要因が絡み合って価格が形成されます。2023年はいずれも大きく下がることは考えにくく、価格は維持する可能性もあるといえるのではないでしょうか。

<演習>
一種・二種受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
全国型市場公募地方債を発行しているのは、一部の都道府県とすべての政令指定都市である。

<解答> ○
全国型市場公募地方債は必須の内容です。一部の都道府県とすべての政令指定都市と覚えておきましょう。