証券外務員講座の講師ブログ

ROEとROAに注目する

皆さん、こんにちは。
フォーサイト証券外務員講師の伊藤亮太です。

今回は、ROEとROAについて解説していきます。

ROEとは、自己資本利益率をさします。株主が出資したお金に対して、企業がどれだけの利益を上げたのかを示す指標であり、特に外国人投資家が注目するケースが多いです。

一般的な目安としては、ROEが10%以上あるとある程度効率的な経営ができているといわれています。20%以上あれば、かなり高いといえるでしょう。ただし、注意点もあります。あくまでROEは自己資本をもとにした指標です。無借金の企業の場合は数字をそのまま鵜呑みにしてもよいですが、借金が多い企業は要注意です。つまり、自己資本が低く他人資本である借入金に多く依存している場合もROEが高くなる傾向があるからです。もちろん、借入金を利用しうまく経営を行い業績を伸ばしている場合は問題ないといえます。そのバランスを確認しながら、ROEによるライバル企業との比較や過去の状況との比較などを行っていくとよいでしょう。

ROAとは、総資産利益率をさします。企業の総資産を利用してどれだけの利益をあげられたかを示す指標であり、ROAの数値が高いと総資本に対して効率よく利益をあげているという意味をさします。そのため、ROAの高い企業から投資先を選択するのも一手です。一般的に、5%以上のROAであると優良企業とされ、一つの目安となります。

ただし、注意点があります。ROAは総資産をもとに計算されます。総資産には自己資本の他、借入金などの他人資本も含まれます。そのため、多額の負債を抱えていても利益を多く出していればROAは高くなる傾向にあります。また、工場など大規模な設備投資が必要な業種の場合、ROAは低くなる傾向にあります。
そのため、ROEなど他の指標も組み合わせて検討していく必要がある点に注意しましょう。

<演習>
一種・二種受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
単元未満株式であっても議決権はある。

<解答> ×
単元未満株には議決権がありません。