行政書士講座の講師ブログ
民法の嫡出推定制度の見直し

皆さん、こんにちは!
フォーサイト専任講師・行政書士の福澤繁樹です。

今回は、民法の嫡出推定制度の見直しについてご紹介します。

昨年の12月に、民法の嫡出推定制度の見直し等を内容とする民法等の一部を改正する法律(令和4年法律第102号)が成立し、同月16日に公布されました。本改正のうち、嫡出推定制度の見直し等に関する規定は、2024年4月1日から施行となっています。

今回の改正のポイントは、以下の通りです。

1、嫡出推定の範囲に例外を設ける婚姻の解消等の日から300日以内に生まれた子は、前夫の子と推定するとの原則は維持しつつ、無戸籍者問題を解消する観点から、母が前夫以外の男性と再婚した後に生まれた子は、再婚後の夫の子と推定するとの例外を設けるものとする。【新民法772条関係】

2、女性の再婚禁止期間を廃止
上記1の新設により、女性の再婚禁止期間を廃止した。【改正前民法733条関係】
これは、施行日(令和6年4月1日)以後にされる婚姻に適用されます。

3、これまでは夫のみに認められていた嫡出否認権を、子及び母にも認めた。
さらに、再婚後の夫の子と推定される子については、母の前夫にも否認権を認めることとしました。【新民法774条、775条、新人訴41条関係】

4、嫡出否認の訴えの出訴期間を1年から3年に伸長
詳しくは以下の通りです。
〇父が提起する場合→父が子の出生を知った時から3年
〇子・母が提起する場合→子の出生の時から3年
〇前夫が提起する場合→前夫が子の出生を知った時から3年
【新民法777条-778条の2関係】

今回は、このへんで。