保育所は子どもを預かる施設として、火災などが発生した場合に備えて避難訓練を行う必要があります。
保育士試験でも保育所における災害時の対応などについては、よく出題される項目の1つです。
では実際に避難訓練は何回行えばよいでしょうか。
このブログ記事では、
保育士試験で出題された際に正しい解答が選べるように、基本的な知識を見ていきます。
「保育所保育指針」ではどう書いてある?
保育所が運営の指針として用いる「保育所保育指針」には、具体的な回数は記載されていません。
「保育所保育指針」第3章「健康及び安全」4「災害への備え」(2)「災害発生時の対応体制及び避難への備え」
そのため、試験で「保育所保育指針」に避難訓練の回数が記載されているかについての選択肢があれば、
×を選ばなければなりません。
具体的な回数はどこに書いている?
「保育所保育指針」には保育所における避難訓練の具体的な回数が記載されていません。
ではどこに書いてあるのでしょうか。
答えは「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」です。
1 児童福祉施設(障害児入所施設及び児童発達支援センターを除く。)においては、軽便消火器等の消火用具、非常口その他非常災害に必要な設備を設けるとともに、非常災害に対する具体的計画を立て、これに対する不断の注意と訓練をするように努めなければならない。
2 前項の訓練のうち、避難及び消火に対する訓練は、少なくとも毎月1回は、これを行わなければならない。
保育所は「児童福祉法」第7条第1項に規定する児童福祉施設です。
上記の「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第6条の条文は、
児童福祉施設における災害対応について規定しており、児童福祉施設である保育所も当然これに従わなければなりません。
つまり、第6条第2項のとおり、保育所は避難訓練を少なくとも毎月1回行わなければなりません。
令和3年後期子どもの保健の問16では、以下のとおり避難訓練に関する問題が実際に出題されています。
次の文は、保育所の避難訓練に関する記述である。( A )~( C )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の適切な組み合わせを一つ選びなさい。
避難訓練の実施については、( A )で義務付けられ、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号)第6条第2項において、少なくとも( B )1回は行わなくてはならないと規定されている。避難訓練は、( C )が実践的な対応能力を養うとともに、子ども自身が発達過程に応じて、災害発生時に取るべき行動や態度を身に付けていくことを目指して行われることが重要である。
【語群】
ア 建築基準法 イ 消防法 ウ 月 エ 年 オ 保育士 カ 全職員
(組み合わせ)
A B C
1 ア ウ カ
2 ア エ オ
3 イ ウ オ
4 イ ウ カ
5 イ エ カ
(正解:4)
避難訓練の具体的な実施回数については、各施設によって異なりますが、
保育士を目指す方々にとって、今回の記事の内容は将来の実務にもかかわる重要なことなので、
しっかりと押さえておいていただければと思います。