ITパスポート講座の講師ブログ

マイナンバーが漏れたときの対処法は?

皆さん、こんにちは。
 
いよいよマイナンバー制度が始まる段階になりました。
政府のホームページにもあるように、
マイナンバー制のメリットははかりしれません。

行政の効率化=行政費用の節約、脱税防止、社会保障の不正受給の防止など、
とんでもない量の作業が一瞬でできるようになりますから、
多くのまじめに生きている国民にとっては望ましい制度なのかもしれません。

もちろん、どんな制度であれ、制度にはメリットとデメリットがあり、
マイナンバー制にも多くのデメリットがあることが指摘されています。

消費税の還付に結びつけられると、
消費行動というプライバシーが隠せなくなるとか、
マイナンバーが漏れたら大変だとか、いろいろありますよね。

そこで、制度実施側はデメリットをカバーするような施策を同時に行い、
できる限りデメリットが生じないような手立てを講じます。

消費税還付に使う場合には、還付額だけを小売店のコンピュータから
政府のコンピュータに送るようにして、
消費行動がわかないような状態にするということでした。

でも、マイナンバーが漏れた後の対処法については、
あまり説明してくれません。

米国の例でマイナンバーが漏れたら個人の生活は
めちゃめちゃになることが明らかなのですが、
このとき私たち一人一人はどうすればいいのでしょう?
 
例えば、日雇いで働いて給料を手渡しでもらっているAさんが、
(赤の他人の)Bさんになりすまして働いた場合、
Aさんに支払われた給料はBさんに支払われた給料として
税務当局に報告されます(日雇いの仕事でも雇用者の身元調査を
しなければならない義務があれば別ですが)。

Bさんはそんなこと知りませんから、
税務署から「(Aさんがなりすました分の)所得を隠しているだろ?」
と問い合わせが来ます。

でも、Bさんには身に覚えがありませんから、
どうしようもありません。

BさんはどうすればAさんになりすまされたことを証明できるでしょう? 
納税を拒否できるのでしょうか?
 
現在でも「マイナンバーが漏れないように制度設計しています」とか、
「悪用すると懲役刑が科されます」とか、
そういったことは説明されているんですが、
現実になりすましを受けた被害者がその被害を回復する手立てはあるのか
といったことについては説明を見つけることができません。

制度開始までに、それらの方法について説明があるといいのですが・・・。