ITパスポート講座の講師ブログ

ふるさと納税で日本全体は潤う? -その1-

皆さん、こんにちは。

最近、ふるさと納税が話題です。
自分が寄付したいと思う地方自治体に寄付をすると、
寄付額から2,000円を引いた額が、自分の所得税・住民税から差し引かれるという制度です。

現在の基本的な税制は、自分の1年間の収入に関して、所得税を国へ、
住民税を居住している自治体に納付するというものです。

そして、所得税として国に集められたお金は、地方交付税という名目で自治体に再配分されます。
住民税が少ない地方に多めの地方交付税が交付されることにより、
自治体間の格差をなくそうとするのが、地方交付税です。

それに対してふるさと納税は、納税者の意思で税を支払う自治体を決める性格を持っています。
ただ、単純な寄付制度としても、寄付文化が根付いていないといわれる日本では、
ふるさと納税をする人はほとんどいないでしょうから、
ふるさと納税をしたくなるインセンティブを組み込まなければなりません。
 
そこで、国は次のようなインセンティブを組み込みました。
「ふるさと納税した金額分だけ、所得税・住民税をおまけしてあげますよ。」
具体的には次のように計算されます。

(1)所得税の軽減額=(寄付額-2,000円)×その人の所得税率
(2)住民税の軽減額=(寄付額-2,000円)×10%
(3)住民税の特別軽減額=(寄付額-2,000円)×(100%-10%-その人の所得税率)

結局のところ、(1)・(2)・(3)の合計で、寄付額から2,000円を引いた全額が
所得税・住民税から差し引かれるということになるわけです。
したがって、ふるさと納税をすると、本来、国や居住している自治体に支払うはずであった税金を
他の自治体に支払うことになり、自分で納税する自治体(どの自治体でもかまいません)
を選ぶことができる制度となっています。

ただし、(3)が適用されるのは収入ごとに上限が設けられていますから、
支払う税金の全額をふるさと納税に振り替えることはできません。

それでも2,000円の自己負担で自分の気に入った自治体へ、
税金の一部の納付先を変更できる魅力的な制度であることにかわりはありません。
しかし、経済的にみればマイナスではないかと思われる状況が発生しています。

それについては次回。