みなさん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の姥谷です。
前回は熱力学のうち「熱の移動」についてご紹介しましたので、今回は熱力学のうち「熱膨張」をご紹介していきたいと思います。
熱膨張には、①体積が膨張する体膨張と②長さが膨張する線膨張の2種類があります。
①体膨張
体積が膨張することをいいます。増加する体積は、以下の式で表せます。
増加する体積=元の体積×体膨張率×(上昇した温度-元の温度)
なお、体膨張率とは、温度が1℃上昇したときに体積が膨張する割合のことをいいます。物質の状態によって異なり、固体<液体<気体の順に大きくなります(熱伝導率と大きさの順番が逆になります)。
②線膨張
長さが膨張することをいいます。増加する長さは、以下の式で表せます。
増加する長さ=元の長さ×線膨張率×(上昇した温度-元の温度)
なお、線膨張率(線膨張係数)とは、温度が1℃上昇したときに長さが膨張する割合のことをいいます。
レールの歪みを避けるためにレールとレールの間隔を空けているのは、鉄道の線路が、夏場の温度上昇で線膨張により伸びて長くなるためです。
この部分は、計算問題で出題されることもありますので、問題演習を通じて対応できるようにしてください。
計算に当たっては、体膨張率と線膨張率は、問題文で提示してくれますので、上記公式をしっかりと覚えておけば、数値を当てはめるだけですので、それほど難しくないと思います。
今回は熱力学のうち「熱膨張」についてご紹介しましたので、次回は熱力学のうち「物質の三態と熱膨張率」についてご紹介していきたいと思います。