年金アドバイザー3級講座の講師ブログ

年金学習のつまずきポイントその4

年金

年金学習における最大のつまずきポイントである老齢厚生年金につき、今回は特老厚の報酬比例部分の額の計算についてとりあげます。

報酬比例部分は、被保険者期間において稼いだ報酬の総額に比例して増えます

これを数式で表現すると、

報酬比例部分の額=
平均標準報酬額×1,000分の5.481×平成15年4月以後の被保険者期間の月数
                 +
平均標準報酬月額×1,000分の7.125×平成15年3月以前の被保険者期間の月数

となります。

年金アドバイザー3級試験では、理屈が分かっていなくても、上記の数式を覚えていれば、問題を解くことは可能です。さっそく問題を解いてみましょう。新元号の令和も登場します。

【問題】
昭和55年4月に㈱二神商事に入社した昭和35年5月生まれのAさんは、令和3年3月に、同社を退職しました。同社は厚生年金保険の適用事業所で、Aさんは、㈱二神商事で勤務した期間以外には、厚生年金保険の被保険者期間を有していません。Aさんの平均標準報酬額は40万円、平均標準報酬月額は30万円です。Aさんが受け取れる特老厚の報酬比例部分の額はいくらでしょうか。

【解答・解説】
被保険者期間を、平成15年4月以後と、平成15年3月以前に分けます。

すると、
①平成15年4月~令和3年3月
②昭和55年4月~平成15年3月
の2つに分かれます。どちらも元号をまたでいますが、
「平成に+63で昭和」「令和に+30で平成」となるので、
①平成15年4月~平成33年3月…216カ月(12カ月×18年)
②昭和55年4月~昭和78年3月…276カ月(12カ月×23年)
だと分かります。

あとは、報酬比例部分の額を求める数式に代入して、

Aさんが受け取れる特老厚の報酬比例部分の額は
400,000円×1,000分の5.481×216カ月+300,000円×1,000分の7.125×276カ月
1,063,508円(50銭未満を切り捨て)

となります。

次回の記事では、
・平均標準報酬月額と平均標準報酬額の違いは何か。
・平均標準報酬月額と平均標準報酬額でかける値が違うのはなぜか。
・なぜ平成15年4月が境目となっているか

について触れます。

【補足】
生年月日が昭和35年5月と記載してあることの意味が分からない方は、前回の記事をご覧いただけますと幸いです。