簿記講座の講師ブログ

えっ! アレが電池に?

 皆さん、こんにちは!
簿記講座担当の小野です。
お~~春だ! リフレッシュしていきましょう!

 いろんな動きが出てきた電気の使い方。アメリカの電気自動車メーカであるテスラが超安い家庭用蓄電池を発売したり(予定)、太陽光発電パネルを備えた住宅が350万戸前後になるなど、電気の買い方・使い方に少しずつ変化が出ています。そんな中、電池にニューフェイス! アレが電池になるらしいのです! 経済を支える電気エネルギー。日本経済の立ち位置をガラっと変えてしまうかもしれません。

 アレ…。アレの正体は…がんせきです!
何と、岩石を使った電池が開発されているんです。
といっても、岩石に充電池を埋め込んで…というわけではありません(笑)。岩石は、直接電気を貯めることはできませんから、電気で岩石を暖めて、岩石に「熱」を貯めます。太陽光発電・風力発電設備を併設し、そこで発電した電気を使って昼間のうちに岩石に「熱」を貯め、夜になって電気が必要なときには、この熱を使って火力発電をして電気を取り出します。
 この電池、岩石1,000トンで3,000軒の1日分の電気を貯められるそうです。今は試験操業の段階ですが、2022年からは5万軒分の電気を貯められる設備で営業運転する予定だそうです。

 でも1,000トンっていうと、巨大な設備が必要じゃないか、ウリーンでも高くつくのではないか?という疑問が湧きます。1,000トンの岩石を貯めておく建物は800m3です。単純計算で、たて10m×よこ16m×5mですから、それほど巨大でないかもしれません。住宅には置けませんが…。
 そして、この電池では岩石の中でも火山岩を使います。火山岩はどこでも取れる石ですし、しかも頑丈なので耐用年数30年!ですし、発電設備はすでに火力発電所で使われている通常設備を使えるから、安いんです! 現在主流の平均的な家庭の12時間分の電気を賄うリチウムイオン電池が200万円くらいですが、それが20万円で買えるくらいの安さです。

 でも、住宅に置けないなら、私たちはどうやって使うのでしょう?
この岩石電池を運営しているのはシーメンスというドイツの会社で、シーメンスから電気を買う契約を結んで使うことになりそうです。東京電力との契約をやめて、シーメンスと契約することになるわけですね。また、完全に想像にすぎませんが、4・5棟で開発されるくらいの大規模マンションなら、地下に共用設備として設置できたりするのかもしれません。

 そして、もう1つ、驚きの電池候補があります。
それは…水です!
 昼間太陽光発電などで発電して余った電気で水を電気分解して水素を取り出して、水素をタンクに貯めておき、夜は水素と酸素を化学反応させて電気を作ります。水と、水素・酸素を往復させて、電気を作ったり、使ったりするだけなので、こちらも超エコ!水を水素と酸素に分解する装置は学校の理科室にありますね。そして、水素と酸素から電気を作る装置(燃料電池)はすでトヨタ自動車のミライっていう水素自動車に搭載されています。
 どちらの装置もすでにあって、技術的には住宅にも設置可能なんですが、ただ、高い…んです。そして、水素を貯めるタンクの安全性が保証できない状況です。という状況ですから、現実的には、まだ住宅への設置はできない段階。でも、“水素社会へ”というスローガンで政府も推進しているから、いずれは主流になる見込みです。

 こういった流れが続いていくと次のような変化が現れると思います。
国内では、東京電力などの支配力が弱まって、経済の仕組みが変わるかもしれません。少しやばいなと思うのは、岩石電池システムを日本で展開するのがシーメンスであるということです。つまり、発電自体は国内で自給できるけど、そのシステムを外国に握られる可能性があるってことです。東京電力や三菱・日立といった発電設備を作っている会社が競争相手として出てこないと怖いですね。

 国外との関係でいうと、極端な話、エネルギー大国になるかもしれません! 
太陽光発電パネル・風力発電機を作る材料までは自給できませんから、完全自給状態にはなりませんが、原油やガスみたいにずっと輸入し続けなければならない状態からは脱することができます!

 そうすると、エネルギーに関する制約がなくなるため、外交上の制約も少なくなり、国際的な立ち位置を少し良い方に変えることができるのかもしれませんね!