２．2都市間の時差
① 時差算出の大原則
近年は、外国の都市同士の時差と時刻を問う問題が出されています。どの都市同士でも原則は同じで、都市と都市の時差が何時間あるか計算しなければなりません。このときの大原則は、前回も述べましたように、「GMTとの時差の大きい数値から小さい数値を引く」ことです。
例１）北京（GMT＋８）が12月1日午後5時（17時）とした場合、ニューヨーク（GMT−５）では何月何日の何時か？
北京はDSTを実施しておらず、通年GMT＋８です。また、ニューヨークはDSTの期間外で、GMT−５です。
よって、北京とニューヨークとの時差は、＋８－（－５）＝13時間となります（ニューヨークが13時間遅れています）。このとき、±をうっかり間違えて、「時差は3時間」としないようにしましょう。この時差13時間を北京の時刻から引けば、ニューヨークの現地時刻が算出できます。
17：00−13：00＝04：00→ニューヨークでは12月1日の午前4時です。
② 計算しにくいときは24時間を足す
時差計算は、特に日付がまたがるときに混乱しやすいものです。
例２）シドニー（GMT＋11）が12月1日午前9時とした場合、ホノルル（GMT−10）では何月何日の何時か？
シドニーはDST期間で、GMT＋11です。また、ホノルルはDSTを実施しておらず、通年GMT−10です。シドニーとホノルルとの時差は、＋11−（−10）＝21時間あり、ホノルルが遅れています。よって、ホノルルの時刻は09：00－21：00という計算式になるのですが、このままでは計算しにくいかと思います。このようなときは、引かれる側（左側）の時刻に24：00を加えてください。
09：00＋24：00＝33：00。33：00－21：00＝12：00→正午の12時です。24：00（1日)を加えたので、日付を1日前に戻します。よって、ホノルルでは前日（11月30日）の正午（12時）となります。
３．飛行所要時間
① 必ず到着時刻から出発時刻を差し引く
飛行所要時間は、すべての時刻をGMTに換算するか、どちらかの都市の時刻に合わせる（通常は、到着時刻を出発地の時刻に合わせるが、この逆でもよい）ことが先です。私のオススメは、より計算が早い後者の方法です。その後、到着時刻から出発時刻を引きます。これもつい逆に計算してしまうことがあるので注意しましょう。余裕があれば、GMT換算法で確かめ算をしましょう。
ほとんどの場合、計算式は分単位の数値になります。分の繰り上げ・繰り下げがあり、引き算がわかりにくいときは、次の方法を試してください。
❶ 両方の時刻に分を適宜加えて(又は引いて)、引く側（右側）の時刻を1時間単位にする
例）到着時刻が14：35、出発時刻が01：40の場合
両方の時刻に20分を足してやります。すると、14：55－02：00＝12：55となって計算がしやすくなります。引くほうの時刻を1時間単位にしてあげることがポイントです。
❷ 引かれる側（右側）の時刻で、時間から60分を借りてきて分に足す
上記の例で、14：35の時間側（「：」の左側）から60分を借りてきて分に足します。すると、13：95となります。13：95－01：40＝12：55となって計算がしやすくなります。
② 乗継待ち合わせ時間があるとき
便を乗り継ぐ行程で、乗継のための待ち合わせ時間を飛行所要時間に含む場合（総飛行所要時間）と、含まない場合（実際の飛行所要時間）の2通りがあります。飛行所要時間に含む場合は、最初の出発時刻と最後の到着時刻をもとに、①の計算通りで算出します。
待ち合わせ時間を含まない計算は、①の方法で総飛行所要時間を計算した後、乗継地点での待ち合わせ時間を算出し、総飛行所要時間から差し引きます。1区間ごとの飛行所要時間を算出して合計するよりも早く計算できます。
時差計算はかなり感覚的なものなので、間違いも錯覚から起こります。「慣れ」に尽きる計算なので、慣れていくに従い、より早く計算ができるようになります。実際の旅行にも大変便利な知識です(すばやく時差計算ができると、周りの人から見てスマートですね)。
ぜひ得意分野にしてください。
