旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ
約款入門

 さて、今回は約款です。テキストの中でも最も分厚く、法令テキストの倍以上あります。約款の問題は、法令の問題とスタイルがよく似ていますが、約款ならでは、といえる特徴がいくつかあります。その主な特徴と対策を見て行きましょう。

【約款の特徴】
① 範囲が広い
 圧倒的に標準旅行業約款が解説の大半を占めます。後半には各種運送宿泊約款もあります。文量が多いだけでなく、学習範囲が多岐にわたります。その分、学習時間も比例して多くなります。
② まぎらわしい規定や事項が多い
 主要3契約(募集型企画旅行契約、受注型企画旅行契約、手配旅行契約)を比較すると、全く同じ規定もあれば正反対の規定もあり、更には契約により独自の規定もあります。これを契約ごとにきちんと整理しておかなければなりません。
③ 選択肢の記述が長い
 法令の問題と比べると、個々の選択肢の文章が長く、5〜6行に渡るものは珍しくありません。意図的に、10行を超えるような長い選択肢が出されることがあります。文章が長いと、どこに誤りや引っかけが潜んでいるか見つけづらく、より慎重に読み取らなければなりません(大体、記述の終わりで肯定文か否定文か判明します)。
④ 記述は比較的読みやすい
 悪いことばかりではなく、法令と比べれば文章自体はごく日常的で、読みやすくなっています。しかし一部にはわかりづらいものもあるので、記述の意味を十分理解しておきましょう。

【対策】
 一気に全分野を片付けようとすると、どうしても中途半端な知識のままで進まざるを得ず、特に上記の②でつまずきかねません。学習の順序・段取りをあらかじめ決めておきましょう。
 まず大切なのは、いうまでもなく標準旅行業約款です。この分野で配点は80点(20問)を占めます。このうち、例年は、企画旅行契約に関する問題が20問中17問を占めています。更にその内訳は、例年は募集型企画旅行契約が11問、受注型企画旅行契約が2問、両方に共通の特別補償規程と旅程保証が各2問です(年度により1問程度のズレがあります)。よって、何よりも圧倒的に重要なのは、募集型企画旅行契約です。これだけで44点と、半分近くを占めます。

① まずは募集型企画旅行契約を理解する
 最も出題の多い募集型企画旅行契約をしっかりと把握しましょう。この分野を先に、繰り返し復習してください。特に、契約の成立・変更・解除は出題が多く、他の契約とも異なる規定があります。
 次に大切なのは責任(損害賠償責任、特別補償規程、旅程保証)です。ただしこれらは、旅程保証のごく一部を除いて募集・受注共通の規定なので、最後にまとめて学習してもかまいません。
② 受注型企画旅行契約との相違点を比較整理する
 ほとんどの規定は両方の契約に共通しています。その中で、①にあげた契約の成立・変更・解除に関する規定が、募集型と受注型で異なる規定が目立ちます。相違点といっても、量的にはそれほどでもなく、内容もわかりやすいものが大半です。これらを重点的に、よく比較しましょう。
③ 企画旅行契約と手配旅行契約との相違点を比較整理する
 企画旅行契約と手配旅行契約はまったく性格が異なるので、相違点も大きくなっています。相違点は、やはり契約の成立・変更・解除と責任(損害賠償責任を除く)に集中しています。また、これらには手配旅行契約独自の規定も多く存在します。
④ 運送宿泊約款
 基本的にシンプルな問題が多いので、後回しでかまいません。ここでもやはり契約の成立・変更・解除と責任が中心です。用語も各約款で微妙に違うので、これらを比較してください。航空約款では細かい問題が出されることがありますが、多少省いても大勢に影響はありません。

【前回のクイズの解答】
Q:群馬県新前橋駅と栃木県小山駅を結ぶ路線に、「両毛線」というJR線があります。明治まで使われた旧国名では、群馬県は上野、栃木県は下野で、「毛」の字はありません。では、この名称の由来はなんでしょう?
A:古代北関東は「けのくに(毛野国)」と呼ばれていましたが、後に「かみつけの(上毛野)国(現群馬県)」と「しもつけの(下毛野)国(現栃木県)」に分けられたようです。時代と共に、両毛野国は様々に呼び名が変わり、近世には群馬側が上野(こうずけ)国、栃木側が下野(しもつけ)国に落ち着きます。「毛」の文字はなくなりましたが、鉄道は両毛野国の由来から「両毛線」と名付けられました。なお、「毛」は草原を意味する説があります。
 現在でも、群馬県は「上毛」と呼ばれます。「上毛新聞」「上毛高原駅」や、「上毛三山」などと使われています。