旅行業務取扱管理者スペシャリストによるこっそり裏講義

ぽつぽつJR運賃料金の学習に取り組まれておられる方も多いと思いますので、今月はJRのお話をしたいと思います。

なかなか頭の痛くなる分野ですが、ブログでは余り試験に関係のない事柄を取り上げたいと思います。気分転換にお読みください。第1回は、地方交通線について。

JR運賃の計算を複雑にしている一因は、幹線と地方交通線の区分があることです。かつて、旧国鉄時代は、ごく一部の区間を除いて全国一律の運賃制度でした。しかし当時の国鉄は救いがたいほどの超赤字体質。とりわけ全国各地に存在する、いわゆるローカル線が大きな問題でした。それらの多くは、100円を稼ぐためにコストが数百円から数千円かかる状況で、経営改善の大きな足かせとなっていました。

そこで、今からちょうど40年前の国鉄時代末期に、大赤字路線を分離し、全路線を「幹線」と「地方交通線」に二分することが決まったのです。地方交通線は幹線と比較して1割ほど運賃を高くして、少しでも赤字を補填することが図られました(実際、ほとんど焼け石に水ですが)。更に地方交通線のうち、超赤字路線は「特定地方交通線」として、その後路線廃止の運命をたどることになります。

このWスタンダード制は、後の分割民営化によりJRが誕生した後も、そのまま引き継がれています。制度が設けられてから40年間、路線の見直しは行われていませんので、今では「エ? この路線も?」と思わせるところが未だに地方交通線に指定されています。その代表が、秋田新幹線開通により劇的に列車運行数が増加した田沢湖線です。今や「新幹線」が30分に1本通っているのですけど。

地方交通線は、その名称から、都会を遠く離れた路線をイメージしがちですが、大都市周辺で旅客数が多そうな路線でも、地方交通線とされている路線があります。札幌近郊では札沼線、新潟近郊では越後線、東京近郊では八高線、岡山の吉備線、広島の芸備線と可部線、小倉近郊の日田彦山線などがあります。これらは中心駅までの直通列車が運行されており、中心駅に近い区間では運転本数もかなり多いのですが、やはり地方交通線のままです。

「○○本線」と呼ばれている路線はほとんどが幹線で、運行列車が多くなっています。しかし、この中にも地方交通線となっている路線があります。その代表例が、超有名観光地の高山を擁する高山本線です。岐阜以遠、富山以遠から高山を訪れる方は、必ず「幹線と地方交通線またがり」となります。

地方交通線の「本線」は北海道と九州に集中しており、北海道では宗谷本線、石北本線など、「本線」と称する地方交通線が5路線もあります。九州でも、筑豊本線、久大本線、豊肥本線の3つが地方交通線です。

利用する路線が地方交通線か(すなわち、運賃が割高となっているか)、切符や定期券を見てもわかりません。ご自身のお住まいに近い路線はいかがでしょうか。



相馬隆幸

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