旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ
時刻表活用術(2)

 今回は、総合管理者試験対策としての時刻表の読み方を解説します。

3.問題の特徴と解き方
 令和5年度の総合管理者試験問題がありましたら、国内実務の問32をご覧下さい。お持ちでない方は、日本旅行業協会のホームページからダウンロードできます。この問題では、選択肢a.とb.が列車の乗り継ぎに関するもの、c.とd.が時刻表記号の意味を問うもので、従来からの典型的な設問パターンです。
 c.とd.は、正確な記号の意味さえわかれば大丈夫ですが、a.とb.は、ページを広く見渡して、最も都合のよい乗り継ぎ方法を探索するという、応用力を求められる実践的な問題です。
 列車は、基本的に、左から右へ出発時刻順に並んでいます。しかし、特急列車や快速列車、各駅停車それぞれ運行速度に違いがあるので、出発時刻が早い列車が必ず先に目的駅に到着するとは限りません。左右に並んでいる列車時刻を見ながら、問題に合致した最適の乗り継ぎ方法を見つけないといけません。
①選択肢a.の解き方
 列車番号は、通常は最上段に示されています(列車により、428Mや162Dのように中段や下段で表示されることもあります)。普通列車162Dは浜坂駅始発列車で、運行曜日に関する脚注はなく、毎日運行されています。この列車は浜坂駅を7時02分に出発し、縦軸に添って下のほうに目を移すと、終点の豊岡駅に8時09分に到着することがわかります。
 豊岡駅からは、同駅始発の8時20分発428M列車に乗り継ぐことができます。脚注より、この列車は土曜・休日のみ運転です。428M列車は終点の福知山駅に9時41分に到着します。特急「きのさき10号」は福知山駅始発で、発時刻が9時45分のため乗り継ぐことができます(結構駆け足?)。
 特急列車は、すべて太字で記載されています。「きのさき10号」は、終点の京都に11時06分に31番線に到着します。なお、京都駅の番線は34番線まであります(すごい)。ただし、15番線〜29番線は欠番です(な〜んだ)。
②選択肢b.の解き方
 上記と同じように列車を探していきます。普通列車226Kは米子始発鳥取行の列車で、赤碕駅を6時47分に発車します。駅名が小さいので見つけにくいですが、選択肢b.には(注)が付いていて、親切ですね。しかし、毎年心優しい問題とは限りません。
 226Kで倉吉駅に7時18分に到着すると、後から7時31分に特急「スーパーまつかぜ2号」が到着します。この特急列車は7時32分発なので、乗り換えが可能。そして終点の鳥取駅に8時03分に到着すると、同駅8時11分始発の普通列車526Kがあります。この列車は、「スーパーまつかぜ2号」よりも左側に記載されていますので、注意してください。526Kは8時58分に浜坂駅に到着します。なお、この1本前の8時06分発526Dは、土曜・休日運休なので走っていません。
 226Kでそのまま鳥取駅まで乗ってしまうと、誤りになります。その先の接続列車が掲載されていないので、すぐ誤りに気付くでしょう。
 試験のための問題なので、一部分で特急を使うなど、ちょっと無理した乗り継ぎになっていますが、この読み取り方は実際の旅行計画を立てる際にも、大いに役立ちます。
③選択肢c.d.の記号
 こちらは解説を省略しますので、時刻表の「時刻表の上手な使い方」ページか、テキストを参照してください。特にd.のカギ矢印(直通・分割・併結)の意味には注意しましょう。

 冊子時刻表では、多くの列車が並列して記載されています。乗り継ぎだけでなく、途中下車するときにも、次の乗車列車を簡単に見つけることができます。旅行で一冊持ち歩くのは重いので、必要なページだけをコピーするとよいでしょう。

 次回は、時刻表のその他のページで、試験に役立つものをご紹介します。