社会保険労務士講座の講師ブログ

労災保険率

みなさん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の加藤です。
師走の忙しい中、ちゃんと勉強を進めていますか?

今回は「労災保険率」についてです。
労働保険徴収法では、労災保険率の決定について、
「労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去3年間の業務災害、
複数業務要因災害及び通勤災害に係る災害率並びに二次健康診断等給付
に要した費用の額、社会復帰促進等事業として行う事業の種類及び内容
その他の事情を考慮して厚生労働大臣が定める」
と規定しています。

この規定の「過去3年間」という部分、試験で論点にされたことがありますが、
この部分は、言い換えると、3年ごとに状況に応じて、労災保険率を見直します
という意味になります。

実際、労災保険率は、特殊な事情がない限り、3年ごとに見直しが行われています。
ここ15年では、平成21年度、平成24年度、平成27年度、
そして、平成30年度に見直しが行われました。
しかし、令和3年度は行われませんでした!
これは新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、今後も厳しい経済・
雇用情勢が予測されることから、個別の業種によって料率の引き上げが
生じることがないよう配慮され、令和3年度から5年度の労災保険率は
据え置くこととされました。
では、その3年後の令和6年度はどうなるかといえば、令和3年度のような
状況ではないので、何らの動きがあるのではと思われます。
動きがある場合、一律に引き上げたり、引き下げたりするのではなく、
業種ごとに災害状況などが異なるので、それに応じて、引き上げる業種
もあれば、引き下げる業種もあります。

ということで、労災保険率は、令和6年度は変わる可能性が大きい
と考えておきましょう。