社会保険労務士講座の講師ブログ

令和6年度の年金額改定

みなさん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の加藤です。

風邪を引いたりしていませんか?

さて、毎年1月に、総務省が前年の「全国消費者物価指数」を公表します。
国民年金や厚生年金保険の年金額は、この物価の動きが改定の指標の1つと
されています。
そのため、前年平均の全国消費者物価指数が明らかになると次年度の年金額が
確定し、公表されます。

年金額の改定のルール、複雑ですが、
物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る場合は、支え手である現役世代の
負担能力に応じた給付とする観点から、名目手取り賃金変動率を用いて改定する
ことになっています。

令和6年度の年金額改定に係る各指標は、
● 物価変動率:3.2%
● 名目手取り賃金変動率:3.1%
● マクロ経済スライドによるスライド調整率:▲0.4%
となっているので、名目手取り賃金変動率の3.1%を用いて改定したうえ、
マクロ経済スライドによる調整(▲0.4%)が行われます。
これにより、令和6年度の年金額の改定率は、2.7%となります。

令和5年度の年金額は、昭和31年4月1日以前生まれの者なのか、
昭和31年4月2日以後生まれの者なのかにより異なっていたので、
それぞれが「2.7%」で改定されます。

つまり、令和6年度の改定率は、
昭和31年4月2日以後生まれは「1.045」(令和5年度の改定率〔1.018〕×1.027)
となり、令和6年度の年金額(老齢基礎年金の満額)は、
780,900円×1.045≒816,000円 です。

昭和31年4月1日以前生まれは「1.042」(令和5年度の改定率〔1.015〕×1.027)
となり、令和6年度の年金額(老齢基礎年金の満額)は、
780,900円×1.042≒813,700円です。

ちなみに、令和6年度の年金額は、新規裁定者及び既裁定者という区分ではなく、
生年月日に応じて2つに区分されるようになっています。
この点、注意しておきましょう。