講義撮影の歴史

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「少しでも臨場感のある講義を提供したい」
こんな思いで、通信講座の講義の撮影を行っています。
ここでは、ここ10年間の歴史についてお話ししたいと思います。

通学講座時代

10年前は、フォーサイトも通学講座を実施していました。お茶の水と名古屋駅前に教室をもち、そこでの講義を収録していました。臨場感ある講義を撮影するためには、講師がカメラを見ながら講義を撮影する必要があります(いわゆるカメラ目線)。当初は、教室の一番後ろの天井に固定型の業務用カメラを設置し、講義を撮影していました。しかし、この撮影方法では、通常、講師は受講生の目を見ながら講義をするのでカメラ目線にはなりません。

そこで、講師の目線をカメラに向けさせるため、カメラの後ろに「ここを見て講義!」という貼り紙をして、なんとかカメラ目線にしようとしましたが、それでも講師は受講生の目を見てしまいますので、やはりカメラ目線にはなりませんでした。

講師の目線について

そこで、考えついたのが、カメラを受講生と同じ位置に置く「受講生の形をしたカメラ」です。これなら、カメラ目線になると思い、100万円をかけてパナソニックに特殊カメラを発注しました。

数か月後、受講生の形をした、目の位置にカメラがある特殊装置が出来上がりました。これでいよいよカメラ目線の講義が撮影できると期待しました。そして、実際に撮影してみました。当初の目的どおり、確かにカメラ目線の映像は実現できました。しかし、映像に写る講師の顔がブサイクだったのです。

人の顔は誰しも正面または少し上のアングルから撮影すれば美しくなりますが、下から撮影すると、アゴが強調され、ブザイクになります。なので、このアイデアは無残にも失敗に終わりました。

その他、通学講座を収録すると、受講生の咳や雑音などのノイズがどうしても入るため、音質に問題が生じます。また、通学講座を撮影すると、板書(講師が黒板に書いたものを写す行為)に多くの時間が取られてしまい、ムダが生じます。さらに、通学講座の場合、そこにいる受講生のレベルに合わせて講義しますので、場合によっては、説明が何度も繰り返されます。通信講座の場合、繰り返し視聴したい場合、CD・DVDを戻せば足りるので、説明が繰り返されるのは時間の無駄となります。

このように多角的に検討した結果、「通学講座を収録したものは通信講座には不適切」と判断しました。そして、通信講座のための専用スタジオを作ることにしました。

通信講座専用スタジオ

通信講座専用スタジオ

通信講座専用スタジオを作るといっても、そんなスタジオは世の中にありませんでした。だから、スタジオを作るのも試行錯誤の連続でした。

まず、専用スタジオを作るには、外部と完全に遮音されている必要があります。そのため、カラオケボックスの遮音を研究し、グラスウールに加え、銅板を間仕切り壁の中に入れました。

また、狭い空間で講義をすると、講師の声が割れてしまいます。そこで、高価な吸音材を用いて、これを防ぎました。吸音材はたくさんの種類がありますので、かなりの費用をかけて、いろいろな種類のものを購入し、ベストな吸音材を探しました。

さらに、狭い空間で照明をつけていると部屋の中がサウナのように高温になり、講義どころではなくなります。そこで、エアコンを設置しましたが、エアコンからかなりの音が出るので、それを低減する技術も必要となりました(具体的な方策は企業秘密です)。

加えて、賃貸ビルのスペースの一部をスタジオにしたため、通常のTV局のスタジオのように天井が高くありません。このような環境の中でいかにうまく照明を設置するのかというノウハウも何年もかかって体得しました。

このような様々な工夫・努力によって徐々に通信講座専用スタジオを作り込んでゆき、現在のスタジオに発展しました。

SDからハイビジョンへ

10年前はSD(4:3)という規格でした。それがハイビジョン(16:9)になり、フルハイビジョンとなり、今や4K、さらには8Kへと移行してゆきます。これに伴い、カメラ・編集機器の買換えを行い、さらに、サーバも順次増設しています。規格が進化すると、データ容量が飛躍的に増大するため、編集時間も増大します。それゆえ、撮影スタッフの増員も順次行っています。このように、ハード面においても、フォーサイトのスタジオは順次進化しています。

ハードに加えてソフトも

自社スタジオの風景

現在、フォーサイトでは、撮影機器などのハードの増強に加えて、「どのようにしたら臨場感のある講義を撮影できるのか」という観点からの研究にも力を入れています。説明の仕方、講師の身振り・手振り、発声の仕方、講師のメイクの仕方など細部にわたって、日々講義が進化するように研究を進めています。さらに、最高の講義を提供できるように、年2回、講師研修を実施し、ボイストレーニングや笑顔のトレーニングなどを実施し、講義を進化させるべく努力をしています。このように、フォーサイトの講義はますます進化します。フォーサイトの今後にご期待ください。