マンション管理士の試験内容は?試験日や試験会場、申込方法をご紹介!

マークシートと鉛筆

マンション管理士の受験を決めたら、最初に確認しておきたいことがあります。それは、当たり前のようですが、試験日・試験会場・試験の内容・申し込み日などの基礎情報です。

実は、「せっかく勉強していたのに試験の申し込みを忘れていた!」「試験日を勘違いして勉強スケジュールを立ててしまった!」というミスが意外と多いのです。

まずは、自分が受ける「マンション管理士の試験とはどのようなものか?」をしっかりと把握してから勉強を始めましょう。

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目次

受験の前に!知っておきたいマンション管理士資格と試験の基礎情報〜

マンション管理士の資格と、試験に関わる基礎情報をご紹介しましょう。

そもそも、マンション管理士とは?

マンション管理士(マン管)とは、「マンション管理組合のコンサルタント」としての専門知識を持つスペシャリストのことです。マンション管理士は、マンション管理組合の運営、マンションの大規模修繕や維持、管理などに関わるさまざまな問題やトラブルを、管理組合や区分所有者の立場になり解決します。

同じマンション管理に関する資格に「管理業務主任者」というものがあり、マンション管理士と混同されることもありますが、こちらはマンション管理会社などの社員として管理組合に重要事項の説明などを行う仕事です。マンション管理士とは逆の立場になります。

マンション管理士資格は国家資格

マンション管理士として働くためには、国家資格であるマンション管理士試験に合格し、その後登録をすることが必要です。マンション管理士は「名称独占資格」なので、資格を持っていない人がこの名称を名乗ったり名刺や看板などに使ったりすることはできません。もし、無資格なのに「マンション管理士」や似たような名称を名乗った場合は30万円以下の罰金に処せられます。

ただし、「名称独占資格」ではあるものの「業務独占資格(※)」ではないので、資格を取得していない人が、管理組合の相談に乗ったりアドバイスをしたりしても法律で罰せられることはありません。

※業務独占資格:資格を取得したものにしか、その業務を行うことが認められていない資格のことで、司法書士・医師・税理士・一級建築士・宅建士などがある。

➡詳しい仕事内容についてはこちら

マンション管理士試験はどこが主催しているの?

マンション管理士試験は、国土交通大臣が試験主体となっています。そして、「公益財団法人マンション管理センター」を指定試験機関として実施しています。

マンション管理士資格は、2001年(平成13年)に施行された「マンション管理適正化法」に基づいて誕生しました。

年1回のチャンス!マンション管理士の試験日をチェック

国家資格であるマンション管理士試験は、2001年(平成13年)にスタートしました。試験日は年に1回で「毎年11月の最終日曜日」に開催されます。1年に1回だけのチャンスなので、試験日は絶対に忘れないようにしましょう。

マンション管理士試験は、第1回から第23回(令和5年度)までの合格率を見ると、最も低いときで7.0%、高いときで11.5%となっています。数ある資格試験の中でも難易度が高めとなっているのです。片手間に勉強しただけで合格するのは困難な試験といえます。年に1度の試験なので、試験日の「11月の最終日曜日」を最終目標に設定して受験勉強はたっぷりと余裕を持ってスタートしてください。

➡難易度についてはこちら

忘れずに!試験の申し込み日と方法について

マンション管理士試験に限ったことではありませんが、資格試験の失敗談として挙げられるものの1つに「試験の申し込みをするのを忘れていた!」ということがあります。

まさかと驚く人もいるかもしれませんが、受験を決意すると勉強方法やテキスト&問題集探しに夢中になってしまい、「受験するためにはまず申し込みをしなければならない」ということがすっかり頭から抜けてしまうのです。

必ず忘れずに申し込みをしてくださいね。

マンション管理士試験の受験案内・申込書について

11月の試験の「受験案内・申込書」は例年8月上旬~10月上旬に配布されます。配布される場所は、都道府県及び指定都市などのマンション管理行政担当窓口・一部の書店、マンション管理センター本部や支部などです。場所の詳細は8月1日に「公益財団法人マンション管理センター」の公式ホームページにて発表されます。

また、以下の方法でも「受験案内・申込書」の入手が可能です。

  • 郵送
  • 宅急便
  • マンション管理センターのホームページにて配布期間中に掲載される「受験案内・申込書」のPDFファイルをダウンロードする

詳細は、公益財団法人マンション管理センターのこちらのページをご覧ください。

受験の申し込み方法について

マンション管理士試験の受験申し込みは例年9月上旬~10月上旬(最終日消印有効)なので、忘れないようにしましょう。

申し込みの際に郵送する書類

受験申込書1通と、受験整理票1通を「特定記録郵便(※)」で郵送します。送り先はマンション管理センターの試験研修部です。

  • 受験申込書:郵送する前に、受験手数料9,400円の支払いを忘れないようにしてください。払込用紙はマンション管理センターのホームページからダウンロードできます。お客様用払込受付証明書かATMの利用明細票を受験申込書に貼付して送ります。
  • 受験整理票には顔写真(たて4.5cm×横3.5cm)を受験整理票に貼付して送ります。

※特定記録郵便:引き受けを記録するため、郵便物を出した記録を残すときに使う。次期受けの記録として受領証をもらえる。

マンション管理士の試験会場は

マンション管理士の試験は、どこで開催されるのでしょうか?

試験が行われる地域は、札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市及び那覇市並びにこれらの周辺地域となっています。かなり場所が限られており、具体的な会場はどこになるのかは、マンション管理センターが申し込みの状況を見て割り振るそうです。

センターによると、試験会場の場所は個々の受験生に発送する「受験票」に記載されるそうですが、受験票の発送は「11月初旬」、試験日は11月の最終日曜日なので数週間ほどしかありません。また、試験会場に関する問い合わせは禁止です。

試験当日は、午前11時30分に会場入室開始なので、試験会場が遠方の場合は前日に近くのホテルなどに宿泊したほうがいいかもしれません。受験票が届いたらすぐに場所を確認し、宿泊施設や交通手段も早めに準備しておきましょう。

マンション管理士の試験内容は?

マンション管理士の試験は、2時間で全50問を解く必要があります。試験は以下の4分野です。

区分所有法など

マンションに関する基本的なルールである法律「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」や、マンション管理のルールの基本である「標準管理規約」などを中心に出題されます。試験問題全50問中21問出題されます。4分野の中では最も出題数が多く、受験生が「得点源」としている分野です。

建築基準法等・建築設備

建築基準法・都市計画法・消防法など、マンションの構造・設備などに関する法律の知識など、極めて専門的な知識が問われる分野です。マンション管理士試験の中では、最も攻略が難しいといえます。問題数は全50問中15問出題されます。理解するのが困難な分野なので、合格者の多くは丸暗記をしている分野です。

民法等・管理組合の運営

民法並びに不動産関連、区分建物の登記、管理組合運営、マンションにおける会計や税務の知識などについて9問ほど出題されます。法令や判例など具体的な事例が出題されるため、事例を正確に把握する能力と解決する知識が求められる分野です。問題数は9問です。

マンション管理適正化法

「マンション管理組合が適正に運営され、適正なマンション管理を推進し、マンションにおける良好な移住環境の確保を図る」ことを目的として制定されたのが「マンション管理適正化法」です。用語の定義やマンション管理士に関係する知識は、ほとんど毎年出題されています。問題数は5問です。

試験後はどうなるの?マンション管理士の登録

マンション管理士試験の合格発表は、試験日の1か月半ほど後です。そして、合格発表後の翌日頃には、合格者には書類の入った厚めの封筒、不合格者には薄い封筒が届くのです。合格者は、説明書に従って登録の手続きをしましょう。登録にも約1か月時間がかかるため勤務先などで資格取得を命じられた場合は、速やかに手続きをしてください。

また、登録したらそれでおわりではなく、法定(マンション管理適正化法)講習が5年ごとにあり、受講しなければマンション管理士の登録を取り消されてしまうこともあるので気を付けましょう。

試験日や申し込み日など基本的なことは忘れずに

いかがでしたか。

マンション管理士を目指して資格試験を受験する前に、知っておきたい試験に関する基礎知識をご紹介しました。当たり前のことのようですが、試験日や受験方法などに関してきちんと把握し、目標や日程をはっきりさせることは合格への第一歩となります。

また、ほかの資格試験でもいえることですが、意外と試験の申し込みをするのをうっかり忘れてしまう人がいるのです。必ず、試験の申し込み締め切り日や方法などは間違えない様に注意してください。

この記事の監修者は
北川えり子(きたがわ えりこ)

学びの楽しさをシェアしたい
【出身】東京都
【経歴】拓殖大学外国語学部卒。マンション管理士・管理業務主任者、行政書士、海事代理士、宅建等の資格を保有。
【趣味】旅行、ドライブ
【座右の銘】未来とは、今である。

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