簿記講座の講師ブログ

センター試験から簿記・会計が消える!

 皆さん、こんにちは!

 簿記講座担当の小野です。

 徐々に暑くなってきましたね。寝冷えなどすることなく、ご注意を!

 簿記の試験といえば日商簿記検定ですが、実は、大学入試センター試験にも「簿記・会計」という科目があります。事前に申請することによって、「数学ⅡB」の代替科目として受験することができます。商業高校の生徒さんに対して、大学の一般入試を受けんとする機会を提供するために設置されています。

 ただ、この「簿記・会計」は2024年1月の試験を最後に廃止されることになりました。その理由として、大学入試センターが赤字であるため科目を整理し、効率的な実施を目指す中で、「簿記・会計」の受験者が少ないことが挙げられています。

 確かに、英語や国語などの中心科目は50万人程度が受験しますが、「簿記・会計」は1,300人程度の受験者しかいません。受験者が50万人であろうが、1,300人であろうが、問題作成の手間・コストは同じでしょうから、科目性の対象となるのは仕方ないのでしょうか…。

 でも一方で、受験者91人のフランス語、112人の韓国語、113人のドイツ語、639人の中国語は引き続き実施され、348人の情報関係基礎は情報という新しい科目として、実施されるそうです。ムムムッ!

 簿記・会計の世界に生きている私としては、「なんで簿記の1/10しか受験者がいない科目が継続で、簿記が廃止なの?」って思うのですが、大学入試センターのHPや報道を見る限り、説得力のある理由をみつけることはできません。何か、大人の世界の理由があるのでしょうね。

 民間試験の受験者もわずかながら減る方向にあります。世の中で簿記・会計の資格を目指そうとしている方が減っている状況です。そして、商業高校の在籍生徒数も減少傾向です。会計の仕事量は減っていませんが、その仕事を担うことができる人数が減っていっているわけです。

 その中でさらに商業高校の生徒さんの進路を1つ狭くしてしまうこの出来事。簿記・会計の世界に生きている私としては寂しい限りです。